岡山市の事業承継支援とは
岡山市では、経営者の高齢化とともに深刻化する後継者不在の課題に取り組むため、地方の中小・小規模事業者向けに「第三者承継支援」を実施しています。この支援プログラムは、事業の継続性を保ちながら、地域の雇用や経済の安定化を図ることを目的としています。
背景:後継者不在の危機
近年、岡山市内でも多くの企業の経営者が高齢化しており、後継者不在の問題が深刻化しています。この現象は、親族や社員に後継者がいない企業にとって特に厳しく、廃業の危機に直面しているケースが少なくありません。しかし、外部の第三者に事業を譲渡する「第三者承継」が注目されており、技術や雇用を次世代に繋げる重要な手段とされています。
「第三者承継」には、事業を継続できるメリットがあり、雇用の維持や顧客との関係の存続が実現します。また、廃業に伴う多くの費用を削減でき、譲渡対価の獲得も期待できます。
岡山市の取り組み
岡山市は、令和6年度から中小企業の第三者承継を支援する人材を育成・派遣し、成約に至るまでの伴走型型の支援を行っています。具体的には、次のような内容が含まれます。
無料の伴走支援
事業者は、インターネット上のマッチングプラットフォームへの掲載を無料で行い、譲受希望者との連絡の代行や面談の調整をサポートされます。これにより、事業者は手間をかけずに第三者承継の準備を進めることができます。
幅広いマッチング
市内外から幅広く譲受希望者を募るため、様々な業種・業態の企業に対してマッチングを行っています。対応する事業者の方々は、自身の後継者に関する悩みとして、「後継者がいないが相談相手がいない」といった声が多く寄せられています。
申込方法
岡山市の産業振興課経営支援係への電話相談が可能です。電話番号は086-803-1325です。気軽に相談することで、具体的な支援の流れを知ることができます。
これまでの成果
令和6年度に支援事業が始まってから、11の企業が後継者不在の相談を行い、その中から1件が実際に事業譲渡の成約に至りました。この成功例は、他の事業者にとっても希望となり、第三者承継の重要性を再確認する機会となっています。
成約事例:株式会社小倉商店
岡山市南区に所在する市場仲卸の株式会社小倉商店は、元海上自衛官の経歴を持つ小倉前社長のもと、後継者探しが進められました。前社長は年齢と健康上の問題から、70歳を迎える前に後継者探しという決意のもと、岡山市に相談しました。支援人材のサポートを受け、マッチングプラットフォームに掲載されました。
その後、多くの企業から譲受希望者が名乗りを上げ、中でも現在の社長である中原氏は、広告会社を経て鉄鋼商社で管理職を務めた経験を持っています。彼は、地域の歴史ある企業を残したいという強い思いから、昨年11月に事業を引き継ぎました。
新しい経営者による様々な変化によって、小倉商店では市場の活性化や水産物加工業務の拡大が進められ、次世代のビジョンが実現しつつあります。
まとめ
岡山市が提供する第三者承継支援は、経営者の高齢化が問題とされる中で、地域の経済を支える新しい手法として期待されています。事業承継が成功することで、地域全体の活性化につながることが期待されています。後継者不在に悩む事業者にとって、ぜひこの支援を活用して新たな未来を築いてほしいと思います。