JFEスチールとJSOLの革新ソフトウェア登場
株式会社JSOLは、JFEスチール株式会社との共同で、新しいプレス成形解析ソフトウェア『JESOLVA®-Forming for JSTAMP』を発表しました。このソフトは、JFEスチールの独自技術を利用した成形評価ツールで、従来は難しかった高強度鋼板の割れ予測を高精度に行えることが特徴です。
自動車業界のニーズに応える
近年、車体の軽量化と衝突安全性の向上が求められる中で、自動車業界では高強度鋼板の使用が増えています。これに伴い、生産工程での加工や接合が一層難しくなっています。JSOLはこの課題を解決するため、CAEソリューション「JSTAMP」を開発し、成形過程をリアルに再現することに成功しています。
JSTAMPでは、CADデータなどに出力し、仮想検討を行うことができ、すぐに実際の対策にも繋げられます。設計者は無駄なトライ・アンド・エラーを行うことなく、迅速に正確な情報を得ることが可能です。これにより、金型開発にかかるリードタイムも短縮され、コスト削減に寄与しています。
新技術の導入
高強度鋼板に特有の問題である加工中の割れ予測に関しては、従来の技術だけでは不十分でした。特に近年使われるようになった1.5 GPa級鋼板の遅れ破壊を予測する技術の確立も急務とされていました。この問題に対処するため、JSOLはJFEスチールのEVI技術をソフトウェアに組み込みました。
『JESOLVA®-Forming for JSTAMP』には、3つの独自技術が組み込まれています。具体的には「伸びフランジ割れ予測技術」、「3D-FLDによる高精度割れ予測技術」、「遅れ破壊予測技術」の3つです。これにより、成形品の割れ部位を容易に可視化することができ、現場での迅速な判断が可能になります。
伸びフランジ割れ予測技術
この技術は、材料の端部で大きく伸ばされることによって生じる割れを高精度に予測するもので、これまでの評価方法では限界がありました。「ひずみ勾配」を使用することで、成形不良を的確に捉え、高い評価を受けています。
3D-FLDによる高精度割れ予測技術
この技術は、製品内部の突起部に生じる不良を予測するためのもので、従来の2D-FLD評価の限界を克服しました。各部位の相当塑性ひずみや、ひずみ比、接触面圧の3つの要素を用いることで、より高精度な割れ予測が実現しています。
遅れ破壊予測技術
高強度鋼板の成形品において、急速に亀裂が生じる遅れ破壊は製品品質の大きなリスクとなります。この技術は、特に成形品の切断端面における遅れ破壊の危険性を予測し、量産後の品質維持に貢献します。
最先端のCAEソリューションの提供
JSOLは、自動車メーカーに対し、高精度なCAEソリューションを提供することで、革新的な車体開発から安定した量産まで、全ての過程で貢献していきます。これにより、自動車の安全性と性能が一段と向上することでしょう。
まとめ
『JESOLVA®-Forming for JSTAMP』の登場は、自動車業界に新たな風を吹き込み、高強度鋼板の加工や製造の効率化に寄与することが期待されています。今後もJSOLは、業界のニーズに応じたCAE技術の進化を続けていくでしょう。