飛騨の伝統工芸、一位一刀彫で作る干支の置物が話題に!
岐阜県高山市で、2025年の干支「巳」に因んだヘビの置物の制作が最盛期を迎えています。地方の伝統工芸「一位一刀彫」によるこの置物は、今年の12月には完成予定とされています。
一位一刀彫とは?
「一位一刀彫」は、江戸時代末期に飛騨出身の彫師・松田亮長によって生まれた工芸品で、高山市の特産品の一つです。主に使用される材木は、岐阜県産の「イチイ」。この木は木目が美しく、雷に打たれにくいという伝説もあり、縁起の良い木材として古くから崇められてきました。使う道具は50本ほどの彫刻刀で、伝統を受け継いだ匠の手によって、色彩をつけずに、木の美しさが際立つように丁寧に彫り上げられます。
ヘビの置物のデザイン
高山市の「津田彫刻」では、著名な伝統工芸士である津田和彦さんと真吾さんが、毎年この時期になると新年用の干支の置物を制作します。退屈な金属の彫刻とは違い、ヘビはとぐろを巻いたものや、帽子と蝶ネクタイを付けた可愛いデザインなど、様々なバリエーションがあります。ヘビは「復活と再生」の象徴として縁起が良いとされ、特に白ヘビは金運をもたらすと信じられています。
真吾さんは、「輪になったヘビのように、すべてが丸く収まる素晴らしい年になってほしい」と語っており、置物制作への思いが伝わります。
多様なサイズと価格
この工房では、7センチから30センチのサイズで、約200体のヘビの置物が作られており、価格も3,300円から60,000円と幅広い選択肢があります。年末まで続くこの制作プロセスは、多くの人々に愛され、地元の文化として大切にされています。
一位一刀彫の歴史
「一位一刀彫」の歴史は長く、天平の時代から飛騨地方の匠たちがその技術を磨いてきました。現在でも、高山祭においてその技術を観ることができ、地域の誇りとなっています。また、「一位の木」と呼ばれるこの素材は、天皇の即位時に献上されるほどの質の高い木材で、そのため漆黒の美しい色合いを持ち、時間と共に艶が増す特性があります。
高山市役所の広報公聴課や飛騨一位一刀彫協同組合(津田彫刻)への問い合わせも受け付けており、興味のある方はぜひ連絡してみてください。新年に向けて、運気を呼び込むヘビの置物を飾ることで、幸運を感じられること間違いなしです。