2025年日本自動車初期品質調査の結果発表とその影響
自動車の初期品質に関する調査で著名なJ.D. パワーが、このほど2025年の日本自動車初期品質調査(IQS)の結果を発表しました。新車購入者を対象にしたこの調査は、初期の不具合や顧客の満足度を測るための重要な指標となっています。2025年の調査結果では、初めて不具合の指摘数が減少するという喜ばしい知らせがありましたが、分かりにくさや使いにくさに関する指摘が依然として重要な課題であることも明らかとなりました。
調査結果の概要
今回の調査では、総合不具合指摘数が140PP100で、前年の152PP100から12ポイントの減少が見られました。これは、過去4年間で初めての減少となり、自動車メーカーにとっては一つの成果といえるでしょう。不具合の内容を詳しく見ると、「分かりにくい」「使いにくい」といった設計に関する指摘が多くを占めており(108.5PP100)、この点については依然として改善が求められています。製造品質に関する「壊れている」「作動しない」という指摘は29.0PP100で、前年よりも減少しているものの、設計上の使いやすさを向上させることが必要です。
インフォテインメントの課題
全体的な不具合指摘数は減少傾向にあるものの、特にインフォテインメント分野における課題は依然として注目される点です。インフォテインメントに関する不具合指摘は、28.7PP100で前年より2.5ポイント減少しましたが、それでも依然として最多の不具合指摘を占めています。この調査から、ブランド間の不具合指摘の差も依然として大きく、最少は18.6PP100、最多は65.2PP100という結果が報告されています。
日常使用に関連する装備への不満
この調査では、車 lane_逸脱ワーニングや運転補助機能についての強い不満の声があったものの、特にカップホルダーなどの日常的に使用する装備に対する不満が際立っています。「カップホルダーの使いにくさ」が指摘されることで、日常的な使い勝手がどう影響を与えるかが見て取れます。このような細かな装備への不具合は、ユーザーが毎日車を使用する中での小さなストレスとなり、長期的には顧客満足度に関わる重要な要素といえるでしょう。
各ブランドの成果と今後の展望
2025年調査の結果では、総合評価の高かったブランドとしてダイハツが選ばれました。また、セグメントアワードにおいても、軽セダン部門ではスズキアルト、軽ハイトワゴンでホンダN-WGN、コンパクトSUVでダイハツロッキーなどが表彰されました。これらの評価は、各メーカーが消費者ニーズに応えるために努力している証といえるでしょう。
結論
J.D. パワーの2025年日本自動車初期品質調査は、自動車業界における消費者の声を反映する貴重な結果を提供しました。初期不具合の指摘数は減少したものの、使いやすさに関する課題は依然として多く、これを改善することでさらなる顧客満足度の向上が期待されます。自動車メーカーは、顧客の視点をしっかりと受け止め、設計から製造へと、品質の向上に向けた取り組みを継続していく必要があります。
この調査結果をきっかけに、より使いやすく、安全で、満足度の高い自動車が市場に提供されることを期待しています。