東京文化会館が目指す新たな取り組み
東京都台東区に位置する東京文化会館は、2024年11月1日からリモート接客サービスのトライアルを開始します。このサービスは、離れた場所から専門のスタッフが現場をモニター越しに確認し、リアルタイムで接客を行うという新しい形のサービスです。文化や芸術に触れるすべての人々が快適に利用できる環境作りを目指しており、文化施設としての新たな役割を果たそうとしています。
リモート接客サービスの特徴
このサービスでは、タッチパネル機能を備えたモニターが受付カウンターに設置されます。これにより、利用者は自分のペースで情報を検索し、必要なサポートを受けることができる環境が整備されます。特に訪日外国人向けには英語の選択機能もあり、多様なニーズに応じたサービス設計がなされています。さらに、「やさしい日本語」による案内が用意されており、初めて施設を訪れる方でも安心して利用できるよう配慮されています。
聴覚や視覚に配慮した字幕翻訳機能や画面共有機能もあり、障害のある方や高齢者でも利用しやすい設計となっています。このように、文化施設がより多くの人々にとって利用しやすい空間として生まれ変わることを目指しています。
法律に基づく文化活動の平等な参加
2023年4月から施行された「改正障害者差別解消法」では、事業者による合理的配慮の義務が記されており、すべての人々が文化活動に平等に参加できる環境づくりが求められています。この背景を踏まえ、サントリーパブリシティサービス(SPS)は、文化施設のアクセシビリティを向上させることを目的として、リモート接客サービスを試験的に導入しました。
このトライアルは、利用者が文化や芸術に触れる際に、誰もが平等にアクセスできる空間を実現するための第一歩であり、今後も多様なニーズに対応したサービスの進化を図っていく所存です。
トライアル実施概要
- - 実施期間: 2024年11月1日(金)から12月下旬までの予定
- - 実施場所: 東京文化会館 1階受付カウンター前
- - 実施時間: 10:00~17:00
この期間中、モニターを設置し、呼び出しに応じてスタッフがリモート接客を行います。これにより、利用者は直接スタッフと対面することなく、必要なサポートを受けることが可能になります。
関連企業の紹介
このリモート接客システムはタイムリープ株式会社が提供しており、同社は「最も大切なことに時間を使える世の中を実現する」というビジョンを掲げています。RURAという名のサービスを通じて、少人数でも多拠点の接客が可能となる効率的な業務運営を支援しています。
一方、SPSは1963年からの豊富な経験とノウハウを生かし、文化施設の運営だけでなく、企業との連携も強化しています。多様な働き方が認められた企業であり、特に女性が活躍できる環境作りに取り組んでいます。
リモート接客サービスの導入は、東京文化会館が目指す全ての人に開かれた文化の空間としての新たな姿を示すものです。文化・芸術活動に参加するすべての人々にとって、安心して利用できる環境が整うことを期待しています。