戸田建設、「ToLabel」を使って残業時間削減
戸田建設株式会社は、全社的な残業時間の削減を目指し、業務改善アプリ「ToLabel」を内製で開発しました。このアプリは、AWSのサーバーレスアーキテクチャを活用し、業務の効率化を図るために作られています。
「ToLabel」とは何か?
「ToLabel」は、戸田建設と業務アウトソーシング協力会社(BPO会社)向けの社内専用アプリです。その機能は、建設や土木現場において必要な業務を適切な担当者に振り分け、タスクの進捗をフォローすることに特化しています。開発から2年が経過し、現在では数百件の依頼が処理されるまでに成長しました。リリース当初は月に数件ほどの依頼だったのが、今では大幅に増加しています。
開発の背景と課題
工事現場では、多数の書類や事務手続きが要求されるため、現場責任者からの作業依頼フローが不十分でした。メールでのやり取りが煩雑で、誰に何を頼むべきかが不明な状態が続いていました。このため、業務の進捗が滞り、現場責任者に負担がかかり残業が増えるという問題が浮かび上がっていました。これを解決するために、2022年4月より「ToLabel」の開発へと進みました。
開発のプロセス
開発は4人の小規模なチームから始まりました。最初はFigmaを用いてモックアップを作成。開発過程では、技術的なサポートをServerless Operationsから受けながら、AWSの設計から開発までを進めました。2022年10月にバージョン1をリリースしましたが、最初は少数の現場での実証運用に留まりました。
現場のスタッフに新しいシステムを導入するには、徹底した説明やデモが必要だったため、半年間にわたり全国の支店を巡回し、直接説明会を実施しました。これにより、少しずつ「ToLabel」の使われ方が広がっていきました。
機能の充実とフィードバックの実装
「ToLabel」の開発チームでは、現場ユーザーからのフィードバックを重視しています。機能追加に関する要望は否定せず、必要性に応じて実装していきました。その結果、使いやすさや機能の充実が図られ、常にユーザーからの満足度も高い水準が保たれています。社員からは5段階評価で常に4以上の評価を受けており、計画的な改善が行われています。
今後の展望
戸田建設のDX推進室の佐藤室長は、今後も「ToLabel」の内製開発を続けていく意向を示しています。彼は、デジタル人財の育成において必要な8つの要素を強調し、これが「ToLabel」の成功に寄与したと述べています。これからも組織全体として、業務の合理化と効率化を進めていくでしょう。
まとめ
「ToLabel」は戸田建設の業務改善における重要なツールとして定着しました。残業時間削減や業務のスムーズな進行を支援するアプリとして、今後もさらなる発展が期待されます。デジタル化が進む中で、こうした企業の取り組みは、他社にとっても良い手本となるでしょう。