片倉コープアグリ、革新的高温・乾燥対策資材を全国展開

片倉コープアグリが新たに全国展開する「スキーポン」

近年、気候変動が農業に与える影響が深刻化しています。特に高温や干ばつといった環境ストレスが、作物の生育や品質に深刻なダメージを与えており、これに対する対策が求められています。日本国内では、農林水産省が掲げる「みどりの食料システム戦略」が掲げられ、2050年までに化学肥料の使用を30%削減することが目指されています。このような背景の中、肥料市場は大きな転換期を迎えています。

そこで注目されているのが、バイオスティミュラントです。これは植物の生理機能を活性化し、環境ストレス耐性を高めることで持続可能な農業の発展に寄与することが期待されています。従来の肥料や農薬だけでは解決できない多くの農業上の課題に応える形で、「第3の資材」としての地位を確立しつつあります。

片倉コープアグリの新しい取り組み

片倉コープアグリ株式会社は、国内において肥料製造と販売でリーダーシップを発揮してきた企業です。近年、同社はバイオスティミュラント分野へも本格的に進出し、新たな製品ラインナップの強化を進めています。その中でも特に注目されているのが、「スキーポン」という高温・乾燥対策資材です。

「スキーポン」は、アクプランタ株式会社が開発した革新的な資材で、理化学研究所の研究成果をベースにしています。この商品は、酢酸を基にした材料で作られており、植物体に吸収されることで、高温や乾燥という過酷な環境下でも植物の特性を改善し、耐性を高める効果があります。具体的には、作物の品質や収穫量の安定を図るために設計されています。

全国規模での販売計画

片倉コープアグリとアクプランタは、この「スキーポン」を2025年4月1日より全国に展開する計画を発表しました。北海道を除く全ての地域で販売が開始される予定です。両社は互いの強みを最大限に活かし、安定した収量と高品質の作物生産への支援に注力していく方針です。

さらに、農業生産者が直面する問題の解決に向け、新たな手段を提供することで、持続可能な農業の実現を目指します。国際的にも高く評価されるアクプランタの研究成果を用いたこの新製品は、農業の未来を支える重要な要素となるでしょう。

持続可能な農業の実現に向けて

「スキーポン」の導入によって、農業生産者は新しい資材を使うことで、環境ストレスへの対策がしやすくなるだけでなく、持続可能な農業への移行も加速することが期待されています。これにより、農地の生産性が向上し、環境に優しい農業への道が開かれることでしょう。

農業の未来を支える、新たな技術の展開に期待が寄せられています。今後も片倉コープアグリとアクプランタの取り組みに注目していきたいと思います。