2025大阪万博での新たな冷却技術の活用
2025年に開催される大阪・関西万博に向けて、タイガー魔法瓶株式会社が発表した新しい冷却技術が注目を集めています。この技術は、保冷輸送分野での効率向上を目指すもので、新開発の「ステンレス密封真空断熱パネル(TIVIP)」を活用します。
ステンレス密封真空断熱パネルについて
TIVIPは、ステンレスを素材とし、その内部を真空状態にすることで非常に低い熱伝導を実現する高性能な断熱パネルです。この技術は、100年以上にわたって進化させてきた真空断熱技術に基づいており、従来のものと比べて不燃性と高断熱性を保ちながら、長期間にわたってその性能を維持します。
このパネルを使用することで、保冷コンテナや保冷ボックスの温度維持に必要な電気エネルギーを抑えることができ、環境負荷の低減にも貢献します。また、この技術は、輸送用だけではなく、建築資材としての利用も可能で、幅広い分野での応用が期待されます。
万博での活用方法
タイガー魔法瓶は、日本通運や岐阜プラスチック工業と連携し、万博会場内外で保冷輸送に関する実証実験を行います。具体的には、以下の3つのアイテムが活用されます。
1.
真空断熱リーファーコンテナ:屋外での保管用に使用され、ステンレス密封真空断熱パネルの効果により消費電力の比較が行われます。
2.
真空断熱プロテクトBOX:万博会場内や外への保冷貨物輸送に用いられ、各種パビリオンや飲食店への効率的な配送が実現します。
3.
真空断熱ロールBOX:これも万博会場での汎用性を高め、新鮮な食品などを安全に運ぶために使用されます。
環境への配慮
この新しい技術は、CO2削減にも寄与する持続可能な資材として期待されています。必要な電力を大幅に削減できるため、従来の冷却装置に比べて環境への優しさが際立っています。特に、輸送業界における電力消費の削減は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要なステップです。
タイガー魔法瓶では、廃棄されたステンレス製ボトルを回収し、リサイクル資源として新しい製品の製造に活用しています。これにより、持続可能な循環型社会の形成にも貢献しています。
万博での展示予定
万博会場内では、「フューチャーライフエクスペリエンス」として、2025年10月7日から13日にかけて、ステンレス密封真空断熱パネル技術に関する展示が行われる予定です。この展示では、技術の実証を通じて、次の世代の冷却方法がどのように環境負荷の低減に寄与するかが示されます。
まとめ
2025年大阪・関西万博では、タイガー魔法瓶が新たに開発したステンレス密封真空断熱パネルを使用した保冷輸送技術が注目され、持続可能な社会の実現に向けた重要な取り組みの一環として位置付けられています。これからの進展に期待が高まります。タイガー魔法瓶は、冷却技術において一歩先を行く企業として、世界的なカーボンニュートラルに対する貢献を目指しています。