オンライン絵巻物鑑賞サイト「デジ絵巻」開設
2023年5月16日、阪急文化財団が運営する逸翁美術館のオンライン絵巻物鑑賞サイト「デジ絵巻〜奥の細道画巻〜」が公開されました。このサイトは、多くの絵巻物を収蔵する逸翁美術館の豊かなコレクションをより多くの人々に楽しんでもらうために開設されたものです。
絵巻物の背景
逸翁美術館は、多様な絵巻物を所蔵していますが、長尺の絵巻物はすべてを広げて展示することが難しいため、昨年度にオンラインで鑑賞できる「デジ絵巻」を開設しました。その第一弾として、重要文化財の「大江山絵詞」が公開され、多くの人々に親しまれました。
そして2023年度の第二段として、与謝蕪村の「奥の細道画巻」が登場します。この作品は、松尾芭蕉が旅の中で詠った有名な紀行文「おくのほそ道」を蕪村が書き写し、さらに俳画風の挿図を加えたもので、安永8年(1779年)に制作された最も遅い版として美術館に収蔵されています。作品の巻末には、蕪村に師事した呉春による「極書」が付いており、鑑定書としての価値もあります。
鑑賞の楽しさ
「デジ絵巻」の最大の魅力は、物語を読み進めながら、それがどのように描かれているのかを楽しむことです。訪問者は、書かれた「詞書」と描かれた絵画をスクロールしながら見るだけでなく、古い文字や歴史的仮名を現代語に置き換えた「翻字」機能を使って理解を深めることができます。この機能を活用して、あらすじや場面解説を一緒に表示しながら鑑賞することも可能です。さらに、細部を拡大して確認したり、特定の場面を探し出すことも簡単に行え、Webサイトならではの便利さと楽しさが大好評を得ています。
今回の更新では、詠まれた俳句から絵画の場面を開ける新機能も追加され、より一層楽しむことができるようになりました。訪問者は、作品の中に描かれた様々な情景や詩情を近くで感じることができるでしょう。
開設日について
この新しいサイト「デジ絵巻〜奥の細道画巻〜」は、芭蕉が「おくのほそ道」の旅に出発した日でもある5月16日から公開されています。興味のある方は、ぜひ一度訪れてみてください。全ての作品は、オンラインで手軽にアクセスできます。その魅力を余すことなく体験することができるでしょう。
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展覧会情報
また、逸翁美術館では、4月12日より開催中の展覧会「四条派ですが、実は─詩情派。呉春」が、本日5月16日から6月15日まで後期日程として展示替えを行いますので、美術館にもぜひお立ち寄りください。様々な作品を通じて、豊かな文化財の世界を体験してみてはいかがでしょうか。
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