HGTECHとサキノ精機が手を組む
中国のレーザー製造大手HGTECH(華工科技)が、兵庫県明石市に本社を置く株式会社サキノ精機と特約代理店契約を締結した。この契約は2025年9月3日に行われ、日本国内におけるHGTECHの全製品に対する取り扱いの専用権をサキノ精機に付与するものである。この提携により、中小企業の設備投資を後押しするための新たなモデルが築かれることとなった。
中小企業支援の先駆け
サキノ精機は、ファイバーレーザー溶接機「SMART-HW 2000Wシリーズ」を中心に、HGTECHの製品全般の販売、導入支援、メンテナンスを行う正規のパートナーとなる。このビジネスモデルは、流通構造の見直しを通じて中間コストを削減し、高品質でありながら適正価格の提供を実現している。
代表取締役社長の﨑野雄生氏は、「当社が直接契約を結ぶことで、無駄なコストを排除し、中小企業に適正な価格で本物の製品を届けられる」と述べており、この新たな契約が中小企業の設備投資のハードルを下げることが期待されている。
直契約モデルによる解決策
日本の製造業、特に中小企業にとっては、人手不足や後継者不足に苦しむ中、設備投資のコストが大きな経営課題である。高品質な設備を導入したくても、価格や流通構造の問題から断念せざるを得ないケースは多い。そのため HGTECHとの直接契約がもたらすメリットは非常に大きい。
HGTECHは、1999年に設立されたレーザー技術のリーディングカンパニーであり、その年間売上高は約3兆円に上っている。サキノ精機は、HGTECHと直接契約を結ぶことで、商社マージンを排除し、価値のある製品を適正価格で提供。これにより、例えばファイバーレーザー溶接機の導入を検討する企業に明確なメリットを提供することが可能となった。
製品の魅力
「SMART-HW 2000Wシリーズ」は、出力2,000Wの水冷式ファイバーレーザー溶接機であり、特長としては以下の点が挙げられる。
- - 高速加工: TIG溶接と比較して約3倍の加工速度。
- - 高品質仕上げ: 歪みを抑え、ビード面が非常に美しい仕上がり。
- - 安全性: 火気を使用せず、スパッタが少ない。
- - 習熟容易: 短期間での操作習得が可能。
中小企業でも導入しやすい価格帯でありながら、その精度や速度、安全性は従来の溶接方法を超えている。すでに多くの業種から導入の相談が寄せられるほど注目を集めている。
サポート体制の強化
サキノ精機では、導入から稼働、アフターサポートまでの一貫した体制を整えている。具体的には、材質や板厚、用途に基づいたヒアリング、実際のワークを用いたデモ加工、設置時の操作トレーニングなどが行われており、初心者でもすぐに実務で使える環境が整えられている。
未来展望
サキノ精機は今後、HGTECH製品全体の取り扱いを拡大し、溶接、切断、マーキングなどのレーザー装置を日本市場に展開していく計画を立てている。特に、導入前に実際の加工を体験できるデモセンターの開設も検討されており、実際に試して納得できる「体感型導入」が主軸となる。これにより、より多くの中小企業の成長をサポートすることがその使命と言える。
結論
HGTECHとサキノ精機の新たな提携は、日本の中小企業に対して、質の高い製品を適正価格で提供するだけでなく、長期的なサポートを通じて成長を促進していくことを目的としている。今後、このモデルがどのように広がりを見せるのか、大いに期待が寄せられる。