九州大学と地域住民が共に守るサンショウウオの生息地の重要性

九州大学と地域住民によるサンショウウオ保全活動

2025年7月13日、佐賀県唐津市相知町の横枕地区で、九州大学の学生たちと地元住民が協力し、サンショウウオをはじめとする希少生物が生息する里山の保全活動が実施されました。この取り組みは、環境省から認定を受けた自然共生サイトで行われ、地域の生態系を守る重要な役割を果たしています。

この日は、事前に開催されたウクライナ料理の試食会に続く地域交流イベントとして企画され、自然資源と暮らしを保全する実践の場として位置づけられました。

倒木撤去作業の重要性

この日の活動の主な内容は、沢沿いに倒れていた杉や竹などの倒木を撤去することです。この沢は九州北部にしか生息しないサンショウウオなど、多様な生物が生きる貴重な生態系が残っている場所であり、その保全は地域住民にとって重要な課題です。倒木が放置されることで、大雨による土砂の流出や住宅の被害が懸念されており、これが地域住民にとっての大きな悩みでした。

高齢化や労力不足で対応が難しかった倒木問題に遂に答えが出ました。九州大学の学生たちが地域を訪れ、地域住民と力を合わせて取り組んだこの保全活動は、地域にとって貴重な進展を示しています。

撤去された倒木は、翌年の伝統行事「鬼火焚き」の燃料として再利用される予定で、地域の文化とも結びついています。

交流の場としてのウクライナ料理

作業後には、九州大学の学生たちが心を込めて用意したウクライナの冷製ボルシチ（ホロドヌイク）を、地元住民と一緒に味わう時間が設けられました。労働の後で味わう一皿は、参加者たちの心を一つにし、言葉や国境を超えた温かな交流を生み出しました。

このように、食を通じて深まるつながりは、地域住民と学生たちの間に新たな友好の絆を築くものとなりました。

継続的な取り組み

本活動は地域の自然保護と国際交流が融合した新たな形式の里山保全活動として位置づけられています。今後も、このような取り組みを通じて地域の生態系と住民の生活がいかに密接に結びついているかを再認識しながら、持続可能な取り組みへと発展させていく予定です。地元の活動に参加することで、皆もサンショウウオの保全に貢献する機会が増えることでしょう。