地域情報共有システムの未来を切り開く
最近、株式会社D2Cの社員である井上大地氏が発表した論文が、国際的な学術誌『Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics(JACIII)』に採択されました。彼の研究は、地域情報共有プラットフォーム「ためまっぷ」におけるクリック数予測において、新たな可能性を示唆しています。
論文の概要
井上氏が筆頭著者となったこの論文は、地域活性化を目指す「ためまっぷ」でのイベント投稿時、情報発信者が付与する「世代タグ」がクリック数に与える影響を調査したものです。従来の手法では、閲覧者のデモグラフィックデータを取得できなかったため、適切なターゲティングが難しい状況でした。そこで、井上氏は深層学習モデル、特に畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いることで、「世代情報」を取り入れた新しいクリック数予測モデルを提案しました。
技術的背景
本研究のメソッドは、従来のイベントタイトル情報だけではなく、世代タグを含むことで予測精度を向上させることに成功しました。実験結果によると、この手法は従来のモデルと比較して、高い精度と共に学習時間の短縮も実現しています。これは、イベント主催者が効果的な告知を行うための重要な指標となるでしょう。
地域情報共有プラットフォーム「ためまっぷ」とは
「ためまっぷ」は、地域イベントや情報を共有するためのプラットフォームで、地域の活性化に寄与することを目的としています。しかし、利用者の興味や特性を正確に把握することは難しく、これがイベントの告知効果に影響を及ぼしていました。井上氏の研究は、この課題を解決する手助けをするものであり、地域コミュニティの活性化に向けて大いに期待されています。
学術誌JACIIIについて
JACIIIは、計算知能と知能情報処理に特化した国際的な英文査読付きの学術誌です。この雑誌は、1997年から発刊され、ファジイ論理、ニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズムなど多様な分野の研究を幅広く発表しています。井上氏の論文も、その中で新たな知見を提供することが期待されているのです。
D2Cの企業紹介
D2Cは、2000年にNTTドコモ、電通、NTTアドの3社から設立された企業で、データを基にした広告マーケティングソリューションを提供しています。グループ全体で「データマーケティングカンパニー」をスローガンに、デジタル領域でさまざまなマーケティング支援を展開しています。彼らの取り組みは、データを駆使して地域社会を支えるための重要な施策とも言えるでしょう。
井上大地氏によるこの研究は、地域情報共有システムの発展に寄与するものとして、大きな注目を集めています。今後のさらなる発展が期待されるこの分野、D2Cが引き続き革新を進める様子を見守りたいと思います。