JUNOPARKが提供する新たな教育の形とその可能性

2023年8月5日、積水ハウスが新たに開業した『住育エデュテイメント施設』JUNOPARK(ジュノパーク)。これは、子どもの感性を育むことに特化したユニークな体験施設です。教育界のノーベル賞とも称される「Global Teacher Prize2019」に名前を連ねた立命館小学校の正頭英和先生が、教育的視点からこの施設の意義と可能性について解説します。

大人の情熱が生み出す子どもたちへの影響

正頭先生は、JUNOPARKの企画初期から関与してきました。彼が語るには、2021年に積水ハウスから「教育的施設をつくろう」という声があったのが始まりだそうです。まだ具体的な形がなく、「子どもたちにどのような体験を提供するか」という点を真剣に議論し、導き出されたのが「感性の重要性」でした。

「大人が持つ熱量は、子どもたちに必ず伝わります」と正頭先生は強調します。大人たちが真剣に取り組み、自分たちが心から「好き」と思えるものを形にした結果、JUNOPARKは子どもたちの感性を引き出す力を持つ場所となりました。ダイナミックな体験を提供するためには、単に子ども向けの軽いアクティビティではなく、大人が楽しめる内容にアレンジされる点が評価されています。

子どもに新たな感性の芽を育む体験

教育的視点から見ると、子どもにとっての「感性」とは何でしょうか。正頭先生は、AIの急速な進化によって、体験の重要性が今まで以上に重要視されていると語ります。未来社会において感性が問われる中、JUNOPARKでは未知の体験と既知の感覚を融合させ、子どもたちの好奇心を引き立てる仕掛けがされています。

例えば、子どもたちが積み木を使って2メートルのタワーを建設するというアクティビティは、見慣れた体験ながらも、新しい発見をもたらします。競争や連携が求められるこれらのアクティビティは、子ども自身が選択することで、感性をさらに育む機会となります。参加する中で彼らの思考や判断力が試され、喜びや達成感が得られるのです。

学校教育との接点を探る

さらにJUNOPARKは、校外学習の一環として学校でも利用が期待されています。事前学習や事後学習に使えるワークシートが準備され、子どもたちは友達と共に様々な感性に触れる機会が与えられると言います。このように、学校教育と体験の接続点を作ることで、新しい気づきや発見が生まれることが期待されています。

参加者へのアドバイス

正頭先生が特に強調したいのは、感性を育てるプロセスは必ずしも答えを見つけることではないということです。従来の教育方法では、「何を学びましたか？」といった評価が重視されますが、ここでは子どもたちが自由に挑戦し、感じたことを大切にすることが最も重要なのです。

「体験は価値のあるもので、失敗もまた一つの手段です。子どもたちが自分のペースで感性を広げられるよう、優しく見守って欲しい」と語る正頭先生からのメッセージは、多くの parents に響くことでしょう。

子どもたちの未来を担うフラッグシップ

JUNOPARKは、現在の教育現場において非常に重要な役割を果たすことを目指しています。体験の機会を広げることで、教育の質を高め、将来の社会に貢献する施設としての役割を担っています。

北海道から京都の高の原に来ることは難しいかもしれませんが、JUNOPARKのような施設の全国展開を期待する声は高まっています。子どもたちの感性を育む取り組みが広がっていくことで、より多くの子どもたちにワクワクするような体験が提供され、豊かな未来を築く一助となります。

「JUNOPARKでの体験が長年心に残り、日常の中にも『好き』や『大切』を見つけてほしい」と館長の枚田さんも願っています。JUNOPARKは、今後も子どもたちが主体的に人生を創造する力を育てる環境を提供し続けていくでしょう。