デジタル人材育成に向けた産学共同の取り組み
日本オムニチャネル協会が進める産学共同のデジタル人材育成について考察していきます。コロナ禍がもたらしたライフスタイルの変化は、デジタル技術の重要性をますます高めています。しかし、いまだ多くの企業がデジタル人材を求めているにもかかわらず、その供給は追いついていません。
この状況を受けて、日本オムニチャネル協会は企業と大学が結びつくプラットフォームを提供し、両者での協働を促進しています。企業はオムニチャネルに関する知識や課題を実務で蓄積している一方で、それを整理し実証する場が不足しているのです。一方、大学側には専門的なデータ分析を行える人材がいますが、その能力を発揮できる機会が限られています。このギャップを埋めるために、産学共同の取り組みが注目されています。
産学共同のメリット
日本マーケティング学会のリサーチプロジェクトで活動する研究者や学生は、リアルなビジネス環境において自らの研究成果を試す機会を持つことで、実践的なスキルを積んでいます。また、企業側も学術的な視点からの意見や新たな発想を得ることができ、双方にとってウィンウィンの関係を築くことができます。産学交流を通じたこの相互理解が、今後のデジタル人材育成に大きく寄与することが期待されています。
主要な活動内容
このプロジェクトでは、さまざまな活動が進められています。例えば、業界の動向や課題をまとめた「オムニチャネル白書」の刊行や、デジタル人材を育成するためのセミナーや研修などです。これにより、実務を通じての学びが提供され、学術的な理論と実践が融合する新たな教育モデルが確立されつつあります。
活動内容としては、
- - 小売部会においての産学交流や共同研究の推進
- - オムニチャネルに関する白書の発行
- - デジタル人材育成に向けたセミナーの開催
などが挙げられ、参加する大学や企業にとって貴重な経験となります。
協会の概要
一般社団法人日本オムニチャネル協会は、2020年に設立され、東京都渋谷区に本部があります。会長には鈴木康弘氏が就任しており、デジタルシフトウェーブの代表取締役社長も務めています。協会は、企業や教育機関との協力を基に、デジタルシフトの重要性を広め、デジタル人材の育成を進めるための活動を主導しています。
参加大学と教授
産学共同のプロジェクトには、以下の大学と教員が参加しています。
- - 小樽商科大学:副学長 近藤公彦教授
- - 福岡大学:准教授 太宰潮
- - 神奈川大学:准教授 中見真也
- - 大阪市立大学:准教授 圓丸哲麻
- - 亜細亜大学:准教授 西原彰宏
- - 多摩大学大学院:客員教授 角井亮一
- - 一橋大学:今井紀夫
- - 学習院大学:教授 渋谷覚
彼らが協力し合いながら、企業とデジタル領域での理解を深めることで、デジタル人材の育成に寄与しています。
結論
デジタル人材が足りない現状において、産学共同の取り組みがその解決策となることが期待されています。オムニチャネル協会を通じて、企業と大学の間での積極的な交流が進み、持続可能なデジタル人材育成が実現するよう、これからの動向に注目していきましょう。