高砂市で進化する教育の形
兵庫県高砂市の市立中学校2校で、革新的な教育改革が進行中です。この改革では、株式会社COMPASSが提供する学習eポータルとAI型教材「Qubena(キュビナ)」が採用され、2025年4月から中学1年生から3年生までの約620名の生徒がこの新しい教材を利用することになります。
変革を目指す高砂市の教育
高砂市は、子どもたち一人ひとりの学びを重視し、それぞれのニーズに応じた支援を充実させるための取り組みを進めています。教育現場におけるICTの活用を通じて、授業の質を向上させることに注力しています。生徒たちが自分のペースで学べる環境を整えることで、彼らの学習意欲を高めることを目指しています。
教育改革の中心核として位置づけられた「キュビナ」は、AIの力を利用して、生徒一人一人の習熟度に応じた最適な問題を出題します。これにより、従来の画一的な授業スタイルから、個別最適化された学びの時間を設けることが可能になります。これは、教師にとっても恩恵となり、授業準備にかかる負担を大幅に軽減することが期待されています。
教職員の声
高砂中学校の校長、橋本尚人氏は、子どもたちの理解度や定着度に差があることが多くの教師にとって悩みのタネであると認識しています。これまでの一斉授業では全生徒に対して同じ内容を一度に教えるため、理解が深まらない生徒がいることは避けられませんでした。しかし、キュビナを導入することでそれぞれの生徒が自分の習熟度で学びを進められる時間を設け、復習や挑戦を促すことができると期待しています。
データ活用の取り組み
高砂市立高砂中学校では、兵庫県教育委員会から「教育データ利活用事業」に指定され、生徒の心の健康を観察するためのデータと「キュビナ」の利用状況を組み合わせて活用する試みも行われています。このデータを活用することで、生徒の学習意欲や成果を可視化し、個別最適化された学びの実現に向けた取り組みを一層進める計画です。
「学びの個別最適化」を追求し、生徒の心理とも連携させた新しい授業スタイルに対する期待が高まっています。
COMPASSの取り組み
COMPASSは、すでに全国の小中学校約2,300校で100万人以上の子どもたちに「キュビナ」を提供しており、2021年度には小中学校の5教科に対応した教材をリリースしています。また、2022年度にはMEXCBTとの連携を果たし、学習eポータルを通じてAI型教材を提供しています。さまざまな教科書に準拠した問題も搭載し、教科書と教材のシームレスな接続を目指しています。
全国での利用データによれば、すでに累計解答数は30億件を突破しており、アダプティブラーニングによる生徒の知識・技能の習得を支援しています。COMPASSは、2022年度から3年連続で経済産業省の「未来の教室」実証事業に選ばれ、「日本e-learning大賞 経済産業大臣賞」や「グッドデザイン賞」を受賞した実績もあります。
今後もCOMPASSは、すべての子どもに「個別最適な学び」を提供するために邁進し、公教育へのICT導入を推進し続けることでしょう。