電子コミックサービスの利用実態が明らかに!
2024年に実施されたオリコン顧客満足度調査では、約9,113名の利用者から得たデータを基に、電子コミックサービスの利用傾向や課金動向が浮かび上がりました。近年のデジタル革命の恩恵を受けて、電子コミックは多くのユーザーに利用されていますが、その実態はどのようなものでしょうか。
課金の実態
調査によれば、電子コミックサービスを有料で利用している人の割合は41.6%で、前年よりも微増しています。特に20代や60代以上では有料利用者の割合が顕著に増えています。一方で、無料で読んでいるユーザーも依然として多く、61.4%から58.4%に減少したものの、まだ半数以上を占めています。これは、経済的なニーズとサービスの充実度が関係している可能性があります。
複数サービスの併用状況
約72%の利用者が複数の電子コミックサービスを併用していることが明らかとなりました。特に無料利用者の中で最も多いのは「4つ以上のサービスを併用」とのことで、コンテンツの多様化を求めるニーズが見て取れます。有料利用者は「1つだけ利用」の割合が最も高く、その傾向からもコンテンツの選定やユーザーのライフスタイルが影響していることが伺えます。
課金額の傾向
月間最高課金額についての質問に対し、最も多かったのが「1,000円~2,000円未満」で13.9%の割合を占め、利用者は自身のニーズに合わせた課金を行っています。これからもそれぞれの期待に応じた柔軟なサービスが求められるでしょう。
購買形態と人気作品
「読みたいマンガがあるときだけ都度購入」と回答した人が71.8%と、大多数を占めました。クーポンやポイントを利用する人も多いため、サービス側は多様なプロモーション戦略を展開する必要があります。また、人気のマンガ作品として「ONE PIECE」が1位に輝き、次いで「SLAM DUNK」「ドラゴンボール」と続いています。これらの作品は、長年多くのファンを持ち続けています。
ユーザーの選び方
電子コミック利用者が重視するポイントとして最も多かったのが「作品数の充実さ」で68.6%でした。そのほかに「操作性の良さ」や「価格」も重視されています。つまり、利用者はコンテンツの質だけではなく、使いやすさやコスト面でも満足できるサービスを望んでいることが分かります。
紙と電子の好み
マンガを読む際の形式については「紙派」が59%と過半数を占めています。特に10代ではその傾向が強く、約70%が「紙」を好むと回答しています。紙派は「ページをめくる感覚」を楽しんだり、コレクションとして書棚に並べたいという理由から選ばれる傾向があります。一方で「電子派」はデジタルデバイスで多くの作品を持ち運べる便利さを強く感じています。このように、紙と電子の両方の良さを追求する意見がそれぞれに存在しています。
まとめ
総じて、電子コミックサービスの利用実態は多様化しつつも、依然として「紙」派の存在感が強いです。しかし、課金利用者の増加や複数サービスの併用、そして作品数の充実を求める声がますます高まっていることから、今後もこの市場はさらなる成長が期待されます。利用者が求めるニーズに合わせたサービスの展開が今後のポイントとなるでしょう。