福山市とオイシックスの協定で海洋環境改善へ、アイゴの新たな活用法

福山市とオイシックス、海洋環境改善同盟を結ぶ

食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地株式会社は、2025年11月6日に広島県福山市と「海洋環境改善に向けた個別連携協定」を締結しました。この協定は、近年地球温暖化の影響で異常に増加したアイゴを有効活用し、海洋環境の改善を目指すものです。

背景

福山市は瀬戸内海に面し、有数の養殖海苔の産地として知られています。しかし、地球温暖化による海水温上昇が影響し、アイゴが大幅に増加しています。アイゴは海藻を食べるため、藻場を食い尽くす「磯焼け」を引き起こし、地域の漁業に深刻な影響を及ぼしています。

オイシックスは、サステナブルな取り組みを通じて未利用魚の商品の開発を進める企業です。これまでの経験を活かし、福山市の漁業環境の改善に貢献することを目的としています。

協定による取り組み

商品化と情報発信

本協定の一環として、漁獲したアイゴを商品化し、その魅力を広く発信していきます。アイゴは一部地域で高級食材として扱われていますが、特有の臭みが理由で市場ではあまり流通していません。そこで、地元の田島漁協がアイゴの内臓を処理した後、オイシックスがそのアイゴを買い取り、独自の開発力で商品へと変える計画です。

さらに、食材とレシピをセットにしたミールキット「Kit Oisix」を通じて、料理法や食材の魅力を伝えることで、新たな食習慣を提案します。SNSなどを活用し、アイゴの扱い方や料理法の情報も発信していく予定です。

漁業者の収入安定

アイゴの漁獲を通じて藻場の環境を改善し、漁業の収入安定にも寄与することが目指されています。藻場の再生が進むことで、他の魚種の漁獲量の向上が期待され、持続可能な漁業モデルの構築へと繋がるでしょう。

藻場再生の継続的な議論

合同プロジェクトはアイゴによる藻場再生を行った後も、さらなる議論を進め新たな藻場再生の方法を模索します。協定の締結は福山市にとって初めての試みであり、地域の環境保全に向けた重要なステップとされています。

新商品の販売開始

本協定に基づいた取り組みの一環として、新商品「香草オイルで熟成させたアイゴのコンフィ」が2025年11月6日から「Oisix」で販売が開始されます。この商品は地元漁協によって処理されたフレッシュなアイゴを使用し、丁寧に下処理された身を塩で〆、香草オイルでじっくり熟成させたものです。解凍してそのまま食べることも可能で、湯煎やパスタにアレンジして楽しむこともできます。

福山市の魅力

福山市は「ばらのまち」として有名で、世界的なバラのイベントも開催される都市です。歴史的名所や豊かな自然、製造業の盛んな地域で、多種多様な産業が集積しています。地域の特産物や文化に触れることで、訪れる人々は新たな発見を得ることでしょう。

企業の理念

オイシックス・ラ・大地は、SDGsに基づいて持続可能なビジネスモデルを追求している企業です。食品宅配サービス「Oisix」を通じて、消費者に安心・安全な食材を提供し、環境への取り組みを強化しています。これにより、持続可能な社会の実現を目指しており、今後もさまざまなサービスや商品の展開を進めていく方針です。

是非、福山市とオイシックスの革新の取り組みに注目してみてはいかがでしょうか。