一般社団法人Protect Our Winters Japan(以下、POW JAPAN)は、10月8日に自由民主党のウインタースポーツ&リゾーツ議員連盟に対して、気候変動対策のための提言書を手渡しました。POW JAPANは、冬のスポーツやアウトドア活動が気候変動の影響を受けているとして、110社の協力のもと「1.5℃目標」に基づく政策を求める声を集めました。
この提言書には、様々な業界から賛同した企業や団体の名前が記されています。その中には、スキー場や関連企業、さらには318人のアスリートの名前も。提言の中で特に重視されているのは、気候・エネルギー政策が「1.5℃目標」と整合する必要性です。これにより、具体的な目標とその達成のためのスピード感を持って取り組むことが求められています。
具体的には、提言書には以下の二つの要点が含まれています。第一に、政策が1.5℃目標に整合していることを明記し、その説明を求めること。第二に、気候・エネルギー政策の決定過程に、気候変動の影響を実際に受けている個人やコミュニティの声を反映させる仕組みを創ることです。これによって、政策がより現実的で、当事者のニーズに応えることが期待されています。
手交の場には、POW JAPANの事務局長やアドボカシー担当者、賛同企業の代表者が出席し、中村裕之衆議議員に提言の重要性を説明しました。また、議連の共同代表には遠藤利明氏と橋本聖子氏が名を連ねており、彼らの秘書にも提言書が手渡されました。今後は、超党派の山の日議連や、各地の国会議員にもこの提言書が提出される予定です。
POW JAPANは、気候変動がもたらす影響について様々な観点から議論を進めています。アウトドア業界が地域経済に与える影響は大きく、スキー場の雪不足や自然環境への影響は、その地域に住む人々の日常にも影響を及ぼします。特に、自然の中で活動する多くの人々は、気候の変化を肌で感じており、持続可能な未来を目指して行動する責任があると考えています。
提言書の発表を受けて、今後アウトドアコミュニティからの声が政策にどのように反映されるのかが注目されます。また、POW JAPANは長野県白馬エリアを拠点に、全国のスノーコミュニティを束ね、気候変動対策に向けたイベントや講演を行い、その活動を広げています。
私たちが暮らす地球の未来に対し、必要な行動を起こしていくことは、次の世代に豊かな自然環境を残すために欠かせない要素です。今後もこのような動きが広がり、多くの人々が気候変動に対する危機感を共有し、具体的な行動に移すことが期待されます。提言書の全文については、POW JAPANのウェブサイトにて確認できます。