若者のクルマに対する意識調査
調査概要
リセールバリュー総合研究所が、2018年から2023年の間に行った「若者の車に関する意識調査」の結果が発表されました。この調査では、18歳から35歳の若者603人を対象に、彼らの車に対する興味や選び方について深掘りしています。特に、「クルマ離れ」が言われる中で、若者がどのように自動車を捉えているのか、どの基準で選んでいるのか、意見が非常に興味深いものとなっています。
車への興味は二極化
調査から、若者の車への興味はかなり二極化していることがわかります。興味があると答えたのは45.9%で、54.0%の人々は「あまりない」または「まったくない」としています。このうち34.3%は車に対し完全に無関心であると答えており、実際の購入意向も、すぐにでも欲しいと答えたのは15.1%、将来的に欲しいは同様に15.1%という結果が出ています。潜在的な購入意欲は存在していますが、関心は薄いままです。
車選びの基準
若者にとって、車選びで最も重要視される点は「価格」で、次に「デザイン」が来ます。具体的には、車を選ぶ際に「価格」を重視する人が31.7%、つまり191人に上ります。また、「デザイン」は130人、続いて「燃費」が97人に選ばれました。これに対し、「ブランドやメーカー」の重視は非常に低いことが明らかで、価格とデザインを重視する実利的な選択が際立っています。
SNSの影響力
また、若者の3人に1人がSNSを利用して車を探していることが調査で判明しました。具体的には186人がSNSを利用すると回答し、「家族や友人の口コミ」や「中古車検索サイト」を上回っています。しかし、メーカーやディーラーの公式サイトも依然として重要な情報源であり、今後はSNSのリアルな体験談が車選びを左右する時代が来るかもしれません。
ブランド離れの現状
「特に好きなメーカーがない」と答えた若者は41.3%にも上りました。ブランドへのこだわりが強い層と、全く関心がない層とで二極化しており、予想以上にブランド離れが進んでいることがわかります。日本の代表ブランドであるトヨタやホンダの人気は見られますが、若者が単にブランドにこだわらない姿勢が反映されています。
若者の夢の機能
調査では、若者が車に追加したいと考える「夢の機能」も明らかになりました。1位は「ワンタッチでフルフラットベッドになる機能」で、続いて「好きなお菓子やドリンクが自動で出てくる機能」や「推しの声でナビやアラームをしてくれる機能」が挙げられました。これは車をただの移動手段としてではなく、より快適で個人のライフスタイルを強化するツールと捉える最新の傾向を示しています。
ナンバープレートの新たな役割
さらに興味深い点として、ナンバープレートへのこだわりが挙げられます。好きな番号をナンバープレートに選ぶ際、自身の誕生日よりも「推しの誕生日や記念日」を選ぶ若者が多数いました。これは、ナンバープレートが単なる識別番号でなく、個人の感情やアイデンティティを表現するものになっていることを示しています。
結論
この調査結果から、若者の車に対する意識は一層多様化していることが伺えます。車への関心は二極化し、興味のある層と無関心な層に分かれ、特に夢の機能やナンバープレートなどの個人の価値観を反映する要素が重要視されていることが分かりました。自動車業界は、こうした新しい若者のニーズに応じて柔軟に対応することが求められています。