渋谷スクランブルスクエアが評価された理由
渋谷スクランブルスクエア株式会社が運営する渋谷スクランブルスクエアのオフィスフロアが、建物の環境性能を評価する「CASBEE」の不動産評価認証において、最高の評価ランクであるSランクを取得した。これは、同施設が2019年11月の開業以来、持続可能な運営を強化してきた努力が実を結んだ結果である。
認証の概要
この「CASBEE評価認証制度」は、環境負荷の少ない建物の普及を促進するために、建物のエネルギー、使用水、資源利用、生物多様性、屋内環境などを総合的に評価する制度だ。渋谷スクランブルスクエアのオフィスフロアの評価ポイントは87.9点であり、78点以上が付与されるSランクに見事到達した。
主な取り組み内容
エネルギー利用最適化
渋谷スクランブルスクエアでは、ビルエネルギー管理システム(BEMS)を用いてエネルギーの効率的な管理を行なっており、高効率の設備とも組み合わせて総合的なエネルギー消費量の削減を実現している。また、コジェネレーションシステムを導入し、発電を通じて得た熱を空調で利用することで、エネルギーの自給とピークカットを図っている。
水資源の再利用
施設内で排出された雑排水は、地下の中水設備によって浄化され、トイレ洗浄水などの生活用水として再利用される。これにより、水資源の効果的な利用と下水道への負荷軽減が実現されている。
災害対策と耐震性
渋谷駅東口周辺は多くのビルが密集する地域であり、浸水対策として大規模な雨水貯留施設が設けられている。これに加え、周辺施設と連携した防災訓練を定期的に行い、災害発生時の備えを強化している。さらに、耐震性を向上させるため、リニアモーター制振装置やオイルダンパーを導入し、建物の状況をリアルタイムで監視できる『4D-Doctor』システムも採用している。
交通の便利さ
渋谷スクランブルスクエアは、東急電鉄、JR、地下鉄の渋谷駅及びバスターミナルに直結しており、交通アクセスの良さが高い評価を受けている。
今後の取り組み
今後も法人は、さらなる環境対策に向けて、2025年から非化石証書を取り入れて再生可能エネルギーの導入を始め、より一層持続可能な運営を目指していく方針だ。
施設概要
渋谷スクランブルスクエアは、渋谷区渋谷2丁目に位置し、事務所、店舗、展望施設、駐車場などを備えた複合施設である。総延床面積は約277,000㎡、地上47階、地下7階の東棟をはじめ、中央棟と西棟も計画されており、2027年度に開業予定である。
このような取り組みと評価は、今後の渋谷エリアの環境負荷の軽減に大きく寄与することが期待されている。渋谷スクランブルスクエアは、持続可能な社会の実現に向け、今後も様々な社会課題への取り組みを継続していくことを約束している。