サグリ、農業の脱炭素化に向けた新たな取り組みを発表
サグリ株式会社がキリンホールディングス株式会社に向けて、農地の炭素貯留量を予測する新サービスを始めました。このサービスは、サプライチェーン全体での温室効果ガス(GHG)の排出削減を目指しており、農業界における持続可能性の向上を図るものです。サグリの取り組みは、地球環境保護と農業の両立を意識したものであり、今後の展開に期待がかかります。
キリンホールディングスとのコラボレーションは、2024年4月に同社のコーポレートベンチャーキャピタルファンド「KIRIN HEALTH INNOVATION FUND」を通じて出資を受けたことから始まりました。これにより、キリンのサプライチェーンにおける農地の脱炭素化支援が進むこととなります。
今回のプロジェクトでは、特にビール原料として重要な大麦の栽培に焦点を当てており、サプライヤーと協力して農地における炭素貯留量の予測を行います。これにより、農地の環境負荷を軽減し、持続可能な農業の実現に向けた一歩を踏み出します。サグリは今後、この取り組みを基に、さまざまな農作物と地域に対象を広げ、より多くの農業関連の脱炭素化プロジェクトを推進していく方針です。
農業はGHG排出の大きな要因であり、世界中でその削減が求められています。サグリは、こうした状況を踏まえ、Science Based Targets initiative(SBTi)に基づいた農業由来のGHG排出量や炭素除去量の算定を行い、削減活動の支援を行います。この取り組みは、農業による気候変動の課題解決に向けた重要なステップと言えるでしょう。
サグリとキリンのコラボレーション
サグリ株式会社は、2018年に設立され、農地の見える化を通じて環境と社会の問題解決に取り組むスタートアップです。AI技術を用いて衛星データを解析し、農作物や農地の状態を把握することに強みがあります。
一方、キリンホールディングスは、1907年に設立され、日本国内外において飲料製造や医薬事業を展開する大手企業です。同社は持続可能な開発目標(SDGs)にコミットしており、2050年に向けた環境ビジョンを掲げています。今回の協業は、双方の強みを活かした新たな脱炭素化プロジェクトであり、農業の未来に希望をもたらすものです。
今後の展望
サグリとキリンの共同プロジェクトは、今後もさまざまな農作物や地域に拡大し、さらなる脱炭素化の実現を目指します。特に「KIRIN HEALTH INNOVATION FUND」を活用した研究開発が、持続可能な農業の実現に向けた道筋をつけることでしょう。
森林、土地、農業(FLAG)セクターは、全世界のGHG排出量の約四分の一を占めており、この問題に対する対策が急務とされています。サグリはこの分野でのソリューションを提供し、農業の革新と環境への配慮を同時に進めていきたいと考えています。
両社の取り組みが、持続可能な社会の実現に大きな影響を与えることを期待し、注視していきたいところです。