日立製作所、AI活用で物流の新境地を開く
2026年4月7日、株式会社日立製作所(以下、日立)は、AIを活用したサステナブルな物流のための配送・倉庫・EV充電の統合計画技術で、「第55回 日本産業技術大賞」において最高位の「内閣総理大臣賞」を受賞しました。この受賞は、日刊工業新聞社主催のもと、革新的な技術とその実用化が高く評価された結果です。受賞式では、日刊工業新聞社の代表取締役社長から表彰状と盾が授与されました。
受賞した技術の概要
日立が開発したこの技術は、AIを活用して複数の要件を考慮しながら配送計画を自動的に立案する「Hitachi Digital Solution for Logistics」(HDSL)です。この中の「EV充電配送」サービスが中心となっており、物流とエネルギー、デジタル技術の融合を目指しています。これにより、自律的に判断し行動するフィジカルAIの進化を促進し、流通業や製造業への展開が進められています。
HDSLとは何か
HDSLは、日立が2019年から提供を開始したもので、配送業務の最適化に特化したソリューションです。このシステムでは、配送ルートや倉庫の管理、車両の割り当てまで幅広く対応しており、特にEV充電の計画と管理をAIを用いて効率的に行います。具体的には、トラックの充電スケジュールを考慮した配送プランの策定、電力の制限を考えた充電制御、さらにリアルタイムでの電力状況の可視化を行っています。
サステナブルな物流の実現
日立の技術は、ドライバー不足の緩和や物流コストの削減、さらには脱炭素化の推進を通じてサステナブルな物流にも寄与しています。HDSLに搭載された独自のAIアルゴリズムは、ヒューリスティックと数理計画法を駆使しており、従来の経験に依存していた複雑な配送計画を高度に自動化。これにより、運用負荷やコストを大幅に削減し、作業の効率化を実現します。
業界への影響
このような技術は、すでに国内の大手運送会社をはじめとする業務で運用されており、品質向上にも繋がっています。具体的には、ドライバーの作業待機や充電待機といった非生産的な業務が削減され、仕事の質(QoW)の向上が達成されます。これにより、EVシフトの推進も加速し、企業の持続可能性が高まります。
今後の展望
日立はこれからも全社を挙げて、新たな社会イノベーション事業を展開していく方針です。プロダクトの豊富なデータを基にした次世代のソリューション群「HMAX Industry」を展開し、フロントラインワーカーの現場改善や人々の健康に寄与する技術を開発し続けます。これにより、より良い社会の実現と共に、持続可能な物流の実現に貢献していくことでしょう。
最後に
AI技術とサステナビリティを融合させた日立の新たな挑戦は、同社の物流テクノロジーをさらに進化させることでしょう。これからの物流の未来に期待が寄せられています。