化石燃料ファイナンスの現状
2025-06-18 20:35:27

新報告書が明らかにした化石燃料ファイナンスの現状と問題点

【化石燃料ファイナンス報告書2025の発表】
2025年版の化石燃料ファイナンス報告書が、米環境NGO「レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)」によって発表され、世界の銀行が化石燃料産業にどれほどの資金を提供しているかが明らかになりました。この報告書は、世界の主要な65行が化石燃料企業に行った融資・引受のデータを分析しており、特に注目されるのは、2023年と比べて2024年の資金提供額が約1,625億米ドルも増加し、総額は約8,694億米ドルに達したという事実です。

この報告書の結果によると、日本の三メガバンク、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループがワースト12銀行の中に名を連ね、それぞれ資金提供額で上位を占めました。特に、みずほは4位、MUFGが6位、SMBCが11位という結果でした。特筆すべきは、この3行が化石燃料事業の拡大を図る企業への資金提供においてもワースト12に入ったという点です。

【背景とリスク】
国際エネルギー機関(IEA)の研究者たちは、新規の化石燃料開発が必要ないと主張していますが、それにもかかわらず、銀行はその逆を行っています。特に、2021年に開催されたCOP26で多くの銀行が気候変動対策を約束したにもかかわらず、その後の資金提供は増え続けています。

報告書では、2021年から2024年の間に化石燃料企業への資金提供が1兆6,000億ドルに達したと指摘し、この trend が止まらない現状に警鐘を鳴らしています。特に2024年においては、4,290億ドルが化石燃料事業拡大に向けられる見込みです。

【国別の動向】
米国の銀行はこのファイナンスの中心となっており、特にJPモルガン・チェースは535億ドルの提供を行っており、世界全体の資金提供の一部を占めています。また、日本においては、メガバンクが化石燃料拡大企業への資金提供を続けており、特に米国の企業への資金流入が顕著です。

【専門家の意見】
RANのアリソン・フェイジャンス=ターナー氏は、銀行が利益のために化石燃料業界に資金を注ぎ込み続けていることを批判しており、その影響は気候の変動を加速させる恐れがあると述べています。また、銀行の行動を変えるためには、より強力な政府の規制が不可欠であると訴えています。

一方、気候ネットワークや350.orgなどの団体からも、日本のメガバンクによる化石燃料への融資が継続されていると指摘されており、気候危機の解決に向けた責任を果たすべきだとの声が上がっています。これらの団体は、化石燃料からの脱却と再生可能エネルギーの導入を進めるべきだとしています。

【今後の展望】
この報告書は、銀行の資金提供が気候変動に与える影響についての重要な警告であり、今後のエネルギー政策や金融政策の在り方に影響を与えることが期待されています。持続可能な投資が進む中で、メガバンクがどのように行動するのかが注視されています。これからも化石燃料ファイナンスの現状を追い続け、改善のための声を上げていくことが求められます。


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会社情報

会社名
レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)
住所
東京都渋谷区千駄ヶ谷1-13-11JF千駄ヶ谷408
電話番号
03-6721-0441

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