クリスマス雑貨の需要拡大と家庭に浸透する新トレンドとは
株式会社ラクーンコマースが運営する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」が発表したレポートによると、2025年のクリスマス雑貨の販売は前年比約1.2倍に上昇しています。しかし、特定の商品に需要が集中するのではなく、トレンドが明らかになっています。
クリスマスのリーダーから小物へ
今年のクリスマス商戦の重要な特徴は、従来主流であった大型ツリーや一式装飾品から小型雑貨へとシフトしていることです。特に、ミニオブジェや卓上サイズの装飾品などの省スペース型商品が人気を集めています。この傾向は、日本の家庭における生活スタイルの変化を反映しています。単身世帯の増加や住環境の省スペース化、さらに物価高の影響により、消費者はよりコンパクトかつユニークな商品を求めています。
例えば、「ヨガサンタ」というサンタがヨガをするミニチュアシリーズは、雑貨専門店やインテリアショップで好評を博しています。取り扱い店舗数は前年より41店舗増加しており、特に気に入ったデザインの小型雑貨が点で購入される傾向が強まっています。このような変化が、いわゆる「一度限りの商品」から「日常に溶け込む商品」への意識の変化を象徴しています。
消費動向の多様化
スーパーデリバリーで扱う小型クリスマス雑貨は、多様なデザインとテーマが揃っており、動物モチーフの製品なども人気です。「マトリョーシカ ねこのクリスマス」やトナカイの子どもをテーマにした「ベビーレインディア」など、各店舗で一点ものとして選ばれるケースが目立っています。このように、特定の商品がヒットするというよりも、それぞれの店舗が独自に特徴ある商品を選んでいる状況が確認できます。
事例1:北海道の医療施設併設ショップ
北海道にある医療・福祉系施設の併設ショップでは、クリスマス雑貨の売れ行きには大きな変化が見られませんが、省スペースで扱いやすいスノードームや小型オブジェが好まれているようです。特に、ファミリー層が多く訪れるため、控えめなサイズの雑貨が中心となっています。自宅用として季節感を楽しむために自分用との購入も多く見られ、毎年一つずつ雑貨を買い足すことが一般的になっています。
事例2:東京都の雑貨専門店
一方、東京都内の雑貨専門店では、11月からクリスマス雑貨への関心が早く、高まりを見せています。特にオブジェ類やポストカードなどの軽量アイテムが好まれ、個人利用や会社のディスプレイにも広く利用されています。クリスマス雑貨はもはや一過性のイベント商品ではなく、毎年少しずつ増やしていく楽しみが印象深いです。
変化を象徴する市場
全体として、2025年のクリスマス雑貨市場は、大きく飾るイベントから、無理なく生活に取り入れる流れに転換しているようです。特徴ある小型雑貨が各店舗で点で販売され、個々の嗜好が反映されています。クリスマス雑貨が家庭に根付いていく様子は、今後も注目に値するでしょう。 落ち着いた中でも、個々の生活に寄り添う形でのクリスマス雑貨の需要は今後も続くと期待されています。このように、現代の消費者が求める商品が形作られる過程を見ていくことが重要です。