若年層の建設業界就職意識を深堀りする調査結果
BRANU株式会社が行った調査によると、建設業界における若年層(18~39歳)の就職意識は、多くの要因によって左右されています。調査結果をもとに、若年層が抱く業界へのイメージや、その要望、さらには企業側との認識の乖離について詳しく見ていきたいと思います。
調査背景
建設業界は、日本のインフラを支える重要な産業であり、社会にとってもなくてはならない存在です。しかし、今年の調査結果では、若年層の建設業界への参入意欲が冷え込んでいることが明らかとなりました。特に、400名の若年層に対し、建設業界が就職先として選択肢に入るかという問いに対して、わずか28%の人が「はい」と回答。72%の人が選択肢にならないことから、業界への心理的障壁が見えてきます。
建設業界の魅力と課題
調査から見えたのは、若年層が建設業界を選ぶ理由です。「給与が高そう」といった経済的魅力や、「手に職をつけたい」というスキル習得への関心が強く表れました。こうしたポジティブな理由は、業界の未来に希望を持たせますが、同時に彼らが業界を敬遠する理由も無視できません。
若年層が抱える不安要因
若年層が建設業界を避ける一因として、労働環境への不安が挙げられます。「体力的に厳しそう」という意見が50.3%を占め、事故や怪我のリスクに対する懸念も44.8%という数字で表れています。また、長時間労働のイメージも根深い問題です。これらの要因が、若年層の参入を妨げる大きな障壁となっていることが浮き彫りになっています。
若年層の期待する働き方
また、自由回答から浮かび上がったのは、「完全週休二日制」「福利厚生の充実」「労働環境の安全性向上」といった具体的な要望です。DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI、ロボット技術の導入によって、業務の効率化や安全性の向上が期待されていることが示されています。
企業側との認識の乖離
興味深いことに、若年層の視点と企業側の認識には大きなズレが見られます。土やホコリで汚れる仕事を避けたいと考えている企業が49.1%であるのに対し、若年層の同意は21.5%という結果が示されました。このギャップは、企業側が若年層のネガティブなイメージを過大評価している可能性があります。
同様に、職場の雰囲気や人間関係への不安について、企業側が41.9%と考える一方で、若年層では18.8%と低く抑えられるなど、若年層はそれほど強く気にしていない場合もあるようです。このような認識のギャップが、業界の発展を妨げる要因となっているのかもしれません。
建設業界が取るべき対応
最後に、BRANUが提唱するように、業界全体には労働環境の透明化や安全対策の強化、現場環境の改善が求められています。また、若年層に向けたキャリア形成の意義や社会貢献について、実際のデータをもとに具体的に伝えていくことも重要です。これにより、若年層の建設業界に対するイメージを良好にし、さらなる人材確保の道を開く必要があります。
BRANU株式会社は、建設業界におけるDX推進を通じて、こうした課題解決に向けた取り組みを行っていく予定です。業界全体として若年層が魅力を感じ、選ばれる職場となるよう、さらなる努力が期待されます。