テクノロジーを駆使した介護現場を高校生が体験
2025年7月12日、玉川学園高等学校の生徒たちが、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一環である「世の中ちょっと良くする部」の課外授業に参加しました。このプログラムは、未来の社会問題を考える機会を提供することを目的としたもので、今回は介護現場におけるテクノロジーの実践状況がテーマとなりました。
介護施設での体験学習
授業の場となったのは、社会福祉法人善光会が運営する「サンタフェガーデンヒルズ」です。参加者は、まず介護施設におけるテクノロジーの活用状況について説明を受け、その後施設内を見学しました。特に注目されたのは、リモートで高齢者と遠隔家族をつなぐ「デジタル同居サービス」。この技術は、高齢者が自宅にいながらも家族とのコミュニケーションを容易にすることを目的としています。
見学の後は、スタッフや利用者との交流会が行われ、高校生たちは実際に高齢者の方々と話をしながら、現場の声を直接聞くことができました。生徒たちは、利用者が抱える課題や日常の「ちょっとした困りごと」を感じ取ることができたようです。
課題発見と意見交換
この授業では、介護現場における課題の発見が重要なテーマでした。生徒たちは利用者との交流を通じて、自らの視点で問題を考え、それを解決するためのアイデアを出し合う座談会も行いました。利用者の声を直接聞くことで、現実の問題に対する理解を深めました。
SIPの役割とは
この授業は、SIPの取り組みの一環として位置づけられています。SIPは、日本社会の課題解決を目指し、一人ひとりの幸せを最大化する社会技術の開発を進めています。「世の中ちょっと良くする部」では、特に高校生を対象に、社会問題への関心を喚起し、若い世代が未来を考える機会を提供することに力を入れています。高校生が感じたことや学んだことは、彼ら自身の視点から広がっていく可能性があります。
未来を見据えた教育の重要性
このような授業を通じて、高校生たちは介護問題を単なる教科書の知識ではなく、身近な現実として捉えることができました。また、テクノロジーの導入が如何にして人々の生活を支えるかを実感し、これからの社会において考えるべき課題を具体的に理解できたことは大きな成果です。
企業である善光総合研究所も、SIPに参画し、次世代の介護に向けた取り組みを進めており、今後もこのような教育プログラムを通じて、若い世代と共に考えていく姿勢が求められています。
この授業ですが、参加した高校生たちにとっては、単なる体験に留まらず、将来の進路選択や社会貢献について考える大きなきっかけとなったことでしょう。今後も、こうした取り組みが一層広がることを期待したいです。