革新的アイデアで日本の森林産業に新たな可能性を - 審査員特別賞受賞の取り組み

革新的アイデアで日本の森林産業に新たな可能性を

2025年1月24日に開催された「INACOMEビジネスコンテスト2024」で、株式会社AIST Solutionsの木村優太さんが「想いや資源を後世まで残し続けるGood Wood Solutions」により審査員特別賞を受賞しました。この受賞は、持続可能な日本の森林産業に向けた新たな取り組みの一端を示すものです。

持続可能な森林産業を目指して

木村さんが提案した「Good Wood Solutions」は、日本の林業が抱える課題に直接アプローチするものです。具体的には、以下の二つの主なアプローチを通じて、効率化と価値の向上を図ります。

1. 林業従事者へのテクノロジー提供
2. 想いのこもった『モノ』の販売

1. 林業従事者へのテクノロジー提供による業務効率化

木村さんは、産業技術総合研究所で研究されている可搬型X線検査装置とAI・数理最適化技術を活用し、林業の業務を効率化することを目指します。これにより、木材の歩留まりが向上し、その価値も守られます。この取り組みは、森林業者の業務効率を大幅に向上させる可能性を秘めています。

可搬型X線検査装置による木の内部構造3次元可視化

2. 想いのこもった『モノ』販売による高付加価値化

「Good Wood Solutions」では、高齢者が所有する木を使い、家族のライフステージに合わせた品物を作り続けるサービスを提供します。この考え方は、木材の長期的な需要量の把握を可能にし、高品質な立木の確保につながります。

木村さんの想い

木村さんは、「社会課題を解決し、多くの人々の生活を豊かにする」という理念のもと、産総研の革新技術を活用したスタートアップの育成に挑んでいます。特に、日本における山の管理が困難になっている現状を受けて、彼自身の祖母の体験も背景にあるといいます。

彼は「このままでは日本の貴重な森林資源が危機にさらされる」との意識からビジネスアイデアを考案しました。2023年秋からは約40の森林関係団体や200名以上の関係者へのヒアリングを行い、現場の課題に触れ、より実践的なアイデアを練り上げました。

今後の展望

木村さんは、その背景にある課題を明確にし、新しいソリューションを提案することで、日本の森林産業の発展に寄与していきたいと考えています。彼の取り組みは、地場産業の活性化にもつながり、協力してくれる企業の募集も行っています。

さらに、木村さんは「この受賞は大きな励みであり、産総研の持つ技術を駆使し、森林産業の課題解決に、全力を尽くす決意です」と語ります。これからの活動に、ますますの期待がかかります。

お問い合わせは株式会社AIST Solutionsの問い合わせフォーム、またはメールにてご連絡ください。自らの思いを形にし、持続可能な社会の実現に向け、多くの方々と協力できることを願っています。