地方副業の新たな局面「HiPro Direct」が成約数1,000件を突破
最近、パーソルキャリア株式会社が運営する副業・フリーランス人材マッチングプラットフォーム「HiPro Direct」が、地方副業における成約数1,000件を達成しました。この成果は、2020年にサービスを開始して以来、地方企業と副業を希望する個人との間でのマッチングが順調に推移していることを示しています。
成約数157%増加の背景
「HiPro Direct」は、2023年の下期にはマッチング件数が前年比157%増加しました。この成長の牽引役となっているのは、地域企業が抱える「人手不足」や「集客力向上」の課題です。特にマーケティングやPR分野でのニーズが顕著であり、地域の中小企業が自らの認知度を高めるために、副業人材の活用を積極的に行っています。
企業における具体的な成功事例としては、東北地方の食品小売業が挙げられます。この企業は、SNSを活用した集客支援を受けて来店数の増加を実現しました。地元出身の副業人材が熱意を持って支援した結果、地域活性化に寄与しました。
地域活性化と人材確保のジレンマ
日本全体では少子高齢化が進行しており、特に地方では生産年齢人口が減少しています。そのため、地域企業は人材確保において厳しい競争に直面しています。総務省のデータによると、2023年には都市部に転入する人が多く、地方にとっては人口流出という深刻な問題が続いています。それでも、地方での副業に対する関心は高く、特に都市部に住む会社員の約6割が興味を示しています。
「スキルリターン」プロジェクトの取り組み
このような状況下において、「HiPro」は地域企業と都市部の人材とをつなぐ新たな試みを進めています。一つの大きな取り組みとして「スキルリターン」プロジェクトが2023年から開始され、これにより地域企業の人材不足を解消し、個人に新たな働き方を提供しています。
現在、全国261の機関との連携を進めており、地域との繋がりを深めることでマッチングの機会を増やすことを目指しています。これにより、地域経済の発展が期待されています。
鏑木陽二朗氏のコメント
「HiPro」の編集長であり、事業責任者を務める鏑木陽二朗氏は、地域企業が直面する深刻な人材不足について言及し、「求人を出しても人が集まらない」という課題が多くの企業で発生していることを指摘。そして、地方副業がその解決に資する可能性を感じていると述べています。地域の活性化は日本経済全体の再生に繋がるため、地方副業の推進が重要であると強調しました。
今後も「HiPro」では地域企業の成長支援とともに、副業を希望する個人に活躍の場を提供し続ける方針です。これにより、新たな人材活用の仕組みを確立し、地域付加価値の向上を目指していきます。