新たな時代を支える練習船「鳥羽丸」
令和7年3月15日、三重県鳥羽市に位置する鳥羽商船高等専門学校で、練習船「鳥羽丸」の竣工記念行事が隆々と行われました。この行事には、文部科学大臣政務官や衆議院議員、参議院議員、さらに地元の市長など、約170名の来賓が参列し、同校が誇る新しい練習船を祝いました。
豊かな機能を持つ練習船の誕生
古山雄一校長が祝辞の中で述べたように、練習船「鳥羽丸」は、海洋人材の育成を目的とした国の政策に基づいて設計され、機能するように造られました。特に、この船には災害支援を考慮した設備が備えられており、海洋での実習のみにとどまらず、地域社会にも貢献できる役割を担います。
金城泰邦文部科学大臣政務官は、練習船として初めて搭載された自律運航システムについても言及し、自動操船による離着岸や緊急時の自動停船機能が搭載されている点を強調。これにより、学生たちがより高度な船員教育を受けることが期待されています。
地域社会との連携を強化
また、赤池誠章参議院議員も言及している通り、この新しい練習船の建造は、日本の海洋立国としての未来を支える人材育成において必要不可欠です。老朽化した練習船を早急に新造する意味は、そのまま地域や国の未来に直結します。
最新技術を活用した教育
この「鳥羽丸」は、SMART-Ship(最先端の賢い船)、TRUST-Ship(海事教育に頼れる船)、FRIEND-Ship(親しみやすい船)という三つのコンセプトを持って設計されています。自律航行技術に加え、情報統合型コンソールを備え、航海実習の際でも立位と着座のどちらでも操舵できる機能を持っています。これにより、学生たちはより実践的な教育を受けることができます。
さらに、船体の揺れを軽減するために工夫が施されており、減揺タンク装置を搭載。これにより、航海中の快適性が向上し、学習に集中できる環境が整備されています。
災害時支援への展望
今回の記念行事では、新たに整備された桟橋も重要な役割を果たしています。災害時に海上からの支援を受け入れるために設計されており、地域貢献の一環として運用されていくことになります。
なぜなら、鳥羽商船高等専門学校は、災害時における船舶型基地局の設置に向けた協定も結んでおり、緊急時の対応力を高めるための準備が進められているのです。これにより、練習船「鳥羽丸」は、教育だけではなく地域社会の安心・安全を支える多機能な存在へと進化していくことが期待されています。
整った設備で次世代を見据えた教育を推進
以上のように、練習船「鳥羽丸」は、今後も学生たちの実習や研究、海洋人材育成という重要な役割を果たしていく予定です。新年度を迎える令和7年4月からその活動が本格化するとあって、多くの人々がこの船から育成される優れた人材に期待を寄せています。
鳥羽商船高等専門学校の概要
鳥羽商船高等専門学校は、1875年に創立された歴史ある教育機関で、現代の海洋人材を育成するために日々努力を重ねています。今後も、地域社会とともに成長し続けることが求められている中、その活動には多くの期待が寄せられています。