「みること」の意味を問い直す:写真家・鶴巻育子写真展「ALT(オルト)」がキヤノンギャラリーSで開催
写真家・鶴巻育子氏による写真展「ALT(オルト)」が、キヤノンマーケティングジャパン株式会社主催のもと、キヤノンSタワー1階キヤノンギャラリーSにて開催されます。本展は、2024年9月27日から11月11日までの期間、視覚障害者との関わりを通して「みること」について深く考察した氏の作品の数々を展示します。
視覚障害者との出会いから生まれた写真展
鶴巻育子氏は、視覚障害者の方々と出会い、彼らの世界に触れることで「みること」に対する自身の認識を大きく変えられました。本展では、その貴重な経験を基に制作された作品が3つのセクションに分けて展示されます。
セクション1では、視覚障害者の方々をモデルに撮影されたポートレートが展示されます。鶴巻氏は、彼らとの対話を通して、視覚障害を持つ人々の個々の個性や生き様を丁寧に捉え、写真に表現しました。
セクション2では、視覚障害者の方々が自身の見え方を言葉で表現したものを、鶴巻氏が写真で表現した作品が展示されます。視覚を通して得られる情報だけでなく、言葉や感覚を通して世界を捉える彼らの視点が、写真を通して鮮やかに浮かび上がります。
セクション3では、鶴巻氏と視覚障害者の方々が共にカメラを持って街を歩き、撮影した写真が展示されます。お互いの見え方や感じ方の違いを共有し、新たな視点を得た彼らのコラボレーション作品は、私たちに「見ること」とは何かを改めて考えさせます。
展示作品と関連イベント
本展では、合計100点を超える作品が展示されます。展示作品はすべて、キヤノンのプリンター「imagePROGRAF」でプリントされ、高画質で鑑賞することができます。
さらに、本展では写真展と連動したイベントも開催されます。10月5日には、本展のキュレーションを担当したPoetic Scapeの柿島貴志氏をゲストに迎え、トークイベントが開催されます。トークイベントでは、写真展の制作秘話や、視覚障害者の方々との交流を通して得られた気づきについて語られます。
また、10月9日、12日、16日には、視覚障害者の方々がファシリテーターを務めるギャラリーツアー「Altrenative View~見える人、見えない人、見えづらい人が一緒に鑑賞するギャラリーツアー~」が開催されます。このツアーでは、視覚障害者の方々の視点を通して作品を鑑賞することで、参加者それぞれの見え方や感じ方の違いを体験することができます。
「みること」の新たな可能性を探る写真展
鶴巻育子写真展「ALT(オルト)」は、視覚障害者の方々との出会いをきっかけに、「みること」の意味を問い直し、その新たな可能性を探る写真展です。写真を通して、私たち自身の「みること」に対する認識を深め、世界の見え方を広げてくれる貴重な機会となるでしょう。
ぜひ、この機会にキヤノンギャラリーSへ足を運び、鶴巻育子氏の作品をご鑑賞ください。