膠原病に対する理解を深める新たな取り組み
膠原病は、免疫系の異常により全身に影響を及ぼす疾患群であり、その認知度はまだ低く、社会全体の理解が求められています。この度、2025年7月に設立された「一般社団法人 膠原病PR協会ミライ」は、患者やその家族、医療従事者、さらには一般社会を結ぶ新たな情報発信の拠点として注目を集めています。
設立の背景と代表の思い
ミライの設立には、代表理事である下條真矢氏の個人的な経験が大きく影響しています。彼は20代という若さで、多発血管炎性肉芽腫症を発症し、「社会から孤立しているような感覚」を抱くことがありました。この病気に関する社会的認知度の低さから、自身の体験を誰かと共有したいとの思いが強まりました。
副代表は、家族が膠原病と診断されたことから「支え側」の難しさを理解しました。二人が出会い、同じ経験を分かち合いながら、「患者とその家族が孤立しない社会を作りたい」という共通の目標がミライの設立へとつながりました。
ミライの活動内容
ミライは、以下の3つの柱を基にして活動を行っています。
1. 患者データベース「ミライのキロク」
膠原病患者の体験談を病名別にまとめたデータベースです。これにより、同じ病気を抱えるユーザーが他の患者の声を参考にできるほか、初期症状や病気の経過についての知識が得られます。特に、まだ診断を受けていない方には、自己チェックの材料となり得ます。
2. YouTubeチャンネル「masayaのおしゃべり喫茶」
下條氏自らが運営するYouTubeチャンネルでは、膠原病患者へのインタビューや病気との向き合い方についてのコンテンツを発信しています。日常生活と治療のバランスをどう取るかといった具体的なヒントが提供され、視聴者に実践的な知識を与えています。
3. オンラインコミュニティ「ほっと血管炎」
血管炎患者のためのLINEオープンチャットのサービスで、日常の悩みや情報を気軽に共有できる場所を提供しています。これにより、患者同士が切磋琢磨できる環境が整えられています。このサービスは株式会社ピアハーモニーと協力して運営されており、患者間でのコミュニケーションが活性化しています。
今後の展望
ミライは、医療機関との連携や患者インタビューの連載企画、企業との共同プロジェクトによる新たなサービス開発といった多岐にわたる活動を計画しています。膠原病の患者数は少なく、社会的に認知されにくいですが、だからこそ一人ひとりの声と行動が大きな力につながると信じています。
興味のある方や支援を考えている企業・団体に対して、ミライはともに歩むことを呼びかけています。膠原病の理解を広め、患者が安心して過ごせる社会を目指して、これからも努力を続けます。
団体概要