幻のニンニク、苫米地ニンニクの保護活動
青森県南部町の苫米地地区で栽培される「苫米地ニンニク」は、その独特な風味と希少性から“幻のニンニク”と称されています。最近、この大変貴重なニンニクの保護を目的としたクラウドファンディングがスタートし、注目を集めています。
クラウドファンディングで目指すもの
苫米地農園の代表、小泉智さんは、2025年8月8日にクラウドファンディングをCAMPFIREで開始しました。目標金額は50万円で、これはニンニクの保護・継承のための努力の一環です。小泉さんは、このままだと失われてしまう貴重な食文化を守るために立ち上がりました。彼の思いは、自然の力を活かし、品種改良や土壌改良を行わずに育てられるこのニンニクを全国に届けることです。
彼は長年、隣の畑の農家から「ここは土が肥えているから追肥がいらない」と教えられ、肥沃な馬淵川沿いの土壌が「苫米地ニンニク」の深い味わいの秘密であるとも強く信じています。この地方特有の育成環境が、特別なニンニクを生み出す要因となっています。
栽培者の危機感と情熱
「苫米地ニンニク」の栽培を続けてきた農家は進行する高齢化によって年々減少し、現在では小泉さん一人のみがその伝統を継承しています。彼は「自分が諦めれば、この貴重な食文化が忘れ去られる」という強い危機感を持ち、このプロジェクトを打ち立てました。
2019年の夏に、増水した馬淵川によって畑が水没するという大きな試練も経験しましたが、その逆境を乗り越え、今もなおニンニクの栽培を続けています。彼の経験は浅いものの、先輩から受け継いだ技術やこの土地への愛情が、希少なニンニクを次世代へつなげる原動力となっています。
苫米地ニンニクの食べ方
苫米地ニンニクの真価はその生での味わいにあります。特におすすめなのは、すりおろしたニンニクを醤油に混ぜる「ニンニク醤油」です。イカやまぐろ、カツオ、馬刺し、クジラの刺身との相性が抜群で、この独特の風味を引き立てます。また、ニンニクは土付きの状態で保存できるものの、生の味を楽しむなら早めに消費することをお勧めします。2026年には収穫された新鮮な生ニンニクを支援者にお届けする予定です。
支援者との繋がり
小泉さんは、単なる販売を目指すのではなく、苫米地ニンニクの魅力を理解して長く愛してくれるファンを増やし、支援者とのつながりを大切にしたいと考えています。これまで「おうちごはん」などのメディアにも取り上げられ、少しずつその価値が認識されつつあります。このプロジェクトを通じて、多くの人にこの貴重なニンニクを味わってもらい、未来に繋げていくことを目指しています。
日本の食文化を守る意義
現代において、品種改良された作物が増える中で、原種の味わいを守り続けることには大きな社会的意義があります。支援者は、ただニンニクを購入するだけでなく、日本の食文化を次世代に繋げる重要な活動に参加することになります。集まった資金は、主に設備投資に充てられ、目標金額を上回った場合はプロジェクトの運営費用に活用される予定です。
プロジェクトの詳細
- - プロジェクト名: 苫米地ニンニク 消えゆく原種を次世代に!奇跡の味を全国に届けたい
- - プラットフォーム: CAMPFIRE
- - URL: https://camp-fire.jp/projects/860972/view
- - 期間: 2025年8月8日〜9月24日
- - 目標金額: 50万円
- - リターン: 支援者には2026年の収穫後に生ニンニクを産地直送でお届け。支援コースは5球、10球、15球の3種類から選べます。
- - 栽培地: 青森県南部町苫米地地区
このプロジェクトが成功することで、苫米地ニンニクが次世代へと受け継がれることを願っています。