オレンジイノベーション・プロジェクトとは
経済産業省が推進する「オレンジイノベーション・プロジェクト」は、認知症当事者が地域で自分らしく生活を続けることができる「共生社会」の実現を目指す取り組みです。第2期の実践企業として、株式会社テコデコドリーム研究所がその活動に参加し、認知症当事者のニーズを反映した製品やサービスの開発に取り組んでいます。
プロジェクトの目的
「オレンジイノベーション・プロジェクト」は、認知症及び軽度認知障害(MCI)の人々が共に暮らし、活躍できる社会の実現を目指しています。2040年には、認知症とMCIを合わせて約1,200万人がこの状態になると予測されており、そのための社会的な受け入れ体制が求められています。
テコデコドリーム研究所の取り組み
テコデコドリーム研究所は、NPO法人ソサエティ・オブ・キャリアコンサルタント(SOCC)と提携し、認知症当事者の声をもとにした製品作りを行っています。新たに発売された「TEKODEKO RECOLLECTION 人生まるごと回想アルバム」は、認知症の方々が自身の思い出を振り返り、家族とともに会話を楽しむことで心の健康を保つことを目的としています。
回想アルバムの特徴
この回想アルバムは、認知症当事者の方々がこれまでの人生の思い出を一冊にまとめ、思い出を語り合いながら自信を取り戻す手助けをするものです。アルバムは、以下の3つの大きな特徴を持っています。
- - 三世代で楽しむ: 昔の出来事を思い出し、笑顔となった思い出話で家族の絆を深めることができます。
- - ファミリーヒストリーの継承: 家族の歴史を次世代に伝え、一緒にアルバムを見ながら過去を話し合うことができます。
- - 飾れるアルバム: 特許技術を使ったマグネットアルバムは、簡単にページを取り外すことができ、装飾としても利用可能です。
また、アルバム作成時には特別なワークショップが開催され、参加者が自らの思い出を引き出す体験ができる場が提供されます。このプロジェクトを通じて、認知症当事者が自らの経験や思いを語ることができるようになることを願っています。
なぜ回想法が必要なのか
回想法は、過去の楽しい出来事を思い出すことによって、活動的だったころの自分を再確認し、前向きな気持ちになることを助ける心理療法です。五感を刺激する要素(写真や音楽、思い出の品々)を活用し、当事者自身の思い出をしてもらうことで、より深い回想体験を提供します。
具体的な製品の内容
発売された「TEKODEKO RECOLLECTION 人生まるごと回想アルバム」は、以下の内容が含まれています。
- - 回想アルバム本体
- - マグネット台紙5枚
- - TEKODEKO RECOLLECTIONの手引き(QRコードから視聴できる作成ビデオ付き)
- - ギフトラッピングとオリジナルメッセージカード
- - インデックスシート(管理用)
- - 心療回想士とのおしゃべりタイム30分間(招待)
定価は16,500円(税込み)で、様々な年代の方に楽しんでもらえる製品です。認知症当事者の方々の生活の質を向上させるために、このプロジェクトが大きな影響を与えることを期待しています。
まとめ
テコデコドリーム研究所の取り組みを通じて、認知症当事者が自分らしく生きるための道が開かれることが期待されています。回想アルバムを利用し、共に過去の経験を語り合い、サポートし合うことで、共生社会の実現が一歩ずつ近づいています。今後の展開にも目が離せません。