NECとSmile Spaceが提供する新サービス
パーキンソン病は世界中で深刻な状態を呈しており、その患者数は年々増加しています。2015年には620万人の患者が確認され、2040年にはその数字が1,290万人に達すると予想されています。この病気は、筋肉のこわばりや歩行困難などの運動症状が早期から現れ、症状は日によって変化しながら進行します。特に日本では、多くの患者が医療保険に基づくリハビリを受ける際に、すでに中等度以上の症状が進行していることがしばしば見受けられます。
しかし、日常生活や社会参加の水準を維持するためには、症状が軽いうちから適切な運動を行うことが重要とされています。こうした背景の中、NECとSmile Spaceは、パーキンソン病患者専門のパーソナルトレーニングスタジオ「PDitスタジオ」において、歩行センシング・ウェルネスソリューションを活用した新たなサービスの提供を開始しました。
目新しいトレーニングメニュー
この新サービスでは、参加者それぞれの身体の動きを詳細に分析し、個別的で適切なトレーニングメニューを作成します。NECのテクノロジーを用いることで、日常の歩行データから患者の症状の程度やその変化の傾向を把握でき、よりパーソナライズされたプログラムを提供することが可能です。
さらに、スマートフォンアプリを利用して、患者は日々の歩行状況や身体の変動を可視化し、自らの症状を管理する手助けとなります。このような仕組みが整っていることで、患者はより自立した生活を送りやすくなるでしょう。
サービスの開始と今後の展望
このサービスは2023年10月からPDitスタジオ銀座本店にて順次実施されます。さらに、NECは将来的にオンラインでのパーソナルトレーニングサービスの検証および開発を進め、国内外のパーキンソン病患者に向けた提供も計画しています。目的は、より多くの患者が自らの価値を見失うことなく、発症後も自分らしく生きられる社会の実現です。
NECの歩行センシング・ウェルネスソリューション
NECは、ヘルスケア・ライフサイエンス事業において、個人の日常生活を支援するプロダクトを展開しています。この歩行センシング・ウェルネスソリューションは、専用インソールにセンサーを装着し、普段使用する靴で歩行の特性や脚・足の状態を可視化します。これにより、利用者は自身の健康状態をより良く把握し、適切な運動を行うことで健康を維持する手助けを受けられます。
この新たな取り組みが、パーキンソン病患者にとっての新たな福音となることを期待しています。詳細はNECの公式ウェブサイトやPDitスタジオのサイトをご覧ください。