新型カエリ取りロボットシステムが誕生
概要
富山県滑川市に本社を置く株式会社スギノマシンが新たに開発した「カエリ取りロボットシステム」は、進化したデジタル技術を用いることで、溶接板金業界の自動化の新たな一歩を踏み出しました。このシステムはティーチレス方式を採用し、簡単な段取りで稼働することが可能です。特に、半導体製造装置部品などの精密板金を手掛ける株式会社マキノに納入され、実際の現場での稼働が開始されたことが大きな話題となっています。
開発の背景
溶接板金業界では多品種少量生産が主流であり、製品の形状が複雑であることから、専用機の導入が進まない現状がありました。そのため、自動化が遅れがちでした。また、熟練した技術を必要とするため、多くの企業がロボット導入に対して躊躇しています。しかし、働き手不足が深刻な現代社会において、その打開策が求められるようになりました。
このような状況を受けて、スギノマシンではデジタル技術を駆使した「カエリ取りロボットシステム」の必要性を感じ、開発に着手しました。このシステムは、短時間での段取り替えが可能で、安定した作業品質を実現します。複雑な形状に対応し、微調整の手間を軽減することで、作業の効率を向上させます。
商品の特長
ティーチレス対応
新型ロボットシステムは、ティーチングレスを特徴としており、ロボットシミュレーションソフト「CROROROS」によりオフラインでの動作検証が可能です。これにより、現場での煩雑なプログラミング作業が不要になり、操作が直感的に行えます。
AI技術の活用
3Dビジョンカメラによって、ワークの品種や表裏を自動で判断し、位置補正を行います。これにより、ユーザーはあらかじめ登録された動作を迅速に実行できるようになります。
省スペース設計
このロボットは壁掛けタイプCRbを採用しており、コンパクトながら広範な作業範囲を持つため、さまざまな加工に対応できます。
デジタル化の推進
本システムは、IoTツール「ViiNUS」との連携により、稼働状況や加工データを収集・保存し、リアルタイムでのモニタリングが可能です。これにより加工品質や生産性の向上に貢献します。
市場へのアプローチ
スギノマシンは、今後3年間で本システムを50台販売することを目標としています。これは、溶接やカエリ取りを含む板金業界向けのロボットシステムの需要を満たすためです。
まとめ
新型カエリ取りロボットシステムは、溶接板金業界の課題を解決するために開発された革新的な技術です。人手不足の解消や効率的な作業の実現が期待される中、この新システムが多くの企業での導入を促進し、産業全体の生産性向上に寄与することが期待されます。
この革新によって、板金業界が新たなステージに進むことを願います。スギノマシンの今後の展開にも要注目です。