著名人29人の人生と死を描いた新書『スターの臨終』を紹介

著名人29人の人生と死を描いた新書『スターの臨終』

著名人の人生の最期を描いた新書『スターの臨終』が、1月17日に新潮社から刊行されました。本書は、全国紙で唯一の「大衆文化担当」記者である小泉信一氏が、さまざまな著名人の生と死をテーマに、彼らの生涯のエピソードを織り交ぜながら、その最期の瞬間に迫るものです。著名人29人の様々な死生観が描かれており、どの物語にも切ない共鳴が感じられる作品に仕上がっています。

スターたちの「死に際」

本書に収められたのは、川島なお美、岡田有希子、坂井泉水、志村けんなど、名だたる29人のスターたちの物語です。彼らはそれぞれ異なる人生を歩んできましたが、死を前にした際、共通して見せた「諦念」の境地が印象的です。自らもがんと闘いながら書き上げた著者だからこそ、彼らの暖かな交流や貴重な証言が色濃く反映されています。

内容の概要

本書は大きく5つの章に分かれています：

- Ⅰ演じる人生 では、演じること生きることの密接な関係に迫ります。
- II歌う人生 では、音楽界で活躍したスターたちの人生を通じ、歌と世の中の関係が描かれています。
- III時代を映す人生 では、時代の変化を反映した心温まるエピソードを紹介。
- IV闘い続ける人生 では、逆境と戦ったスターたちの勇気を称えます。
- Ⅴ笑わせる人生 では、笑いの力を持つスターたちが見せたユーモアの数々が語られます。

各章で、著名人たちの生きざまがそれぞれの言葉で語られており、特に著者自身ががんと闘いながら書き上げたことが、より彼らのストーリーに深みを与えています。

著者について

著者の小泉信一氏は、1961年に神奈川県で生まれ、朝日新聞の編集委員として現場を重視した報道に取り組んできました。彼は自身の著書を通じて昭和の文化や時代を深く掘り下げ、特に「大衆文化」に精通しています。『スターの臨終』は、そんな氏の最後の記念碑とも言える作品です。残念ながら、2024年10月にがんにより他界しましたが、その活動の痕跡はしっかりと本の中に残っています。

死を常に意識することが求められる現代において、この本が私たちに何を伝えてくれるのか、ぜひ手に取って感じてみてほしいです。