レオナルド・ダ・ヴィンチの名作である《美しきフェロニエール》が、日本に初めて上陸します。この秋、注目のアートイベントとして、新潮社が発行する雑誌『芸術新潮』2026年9月号において、特集が組まれることが決定しました。特集のタイトルは「レオナルド・ダ・ヴィンチまなざしの追究者」です。これは、ルネサンスの時代における肖像画の変化と、レオナルドが描いた女性肖像画の神秘に迫る内容となっています。
特集では、レオナルドが手掛けた女性の肖像画4点にクローズアップし、《モナ・リザ》《白貂を抱く貴婦人》に続いて、《美しきフェロニエール》が注目されます。この来日は25年ぶりのことであり、レオナルドによる女性を描いた肖像画は、現存するものがわずか4点しかありません。この希少性は、特別な魅力をもたらしています。
今回、特集に貢献するのはイタリア美術の専門家である水野千依先生。彼女の視点を借りて、ルネサンス期における肖像表現の変化を考察し、レオナルドの技法とその影響を明らかにします。さらに、作品に込められたいくつもの謎や巧妙な工夫にも光を当て、観る者に深い思索の旅を提供します。
実際に《美しきフェロニエール》を観る際には、当時のファッションや髪型の流行にも意識を向けることが大切です。服飾史の専門家、伊藤亜紀先生を迎え、レオナルドがどのように女性像を装飾したのか、さらには彼の「髪フェチ」についても触れます。この取り組みは、作品鑑賞をより豊かにしてくれることでしょう。
また、近年行われた科学的調査によって得られた新たな知見も特集に盛り込まれる予定です。色彩の選択や描写技術、さらには心理的な要素に進化をもたらした理由などが明らかになることで、レオナルドの作品はより深みを増します。
現代のアーティストである諏訪敦さんも特集に参加し、レオナルドを敬愛する彼の視点から、新たな作品を通じてその影響を探求します。500年前の絵画技術が現代にどのような意味を持つのかを問い、レオナルドが描いた「人物」をどう捉え直せるかを提示します。
この特集は、まさにレオナルド・ダ・ヴィンチが生涯をかけて追求した「人間を描く」というテーマを、多角的に内省する取組です。
最後に、《美しきフェロニエール》が日本にやってくるという特別な機会を迎えるにあたり、その魅力やレオナルドの人物表現をさらに探求し、アートとしての価値を再確認するために、ぜひとも特集を手に取ってほしいと思います。
■ 編集長の言葉
「レオナルド・ダ・ヴィンチと言えば、まずは《モナ・リザ》。その名は誰もが知っている名画ですが、今回の《美しきフェロニエール》もまた、彼の数少ない女性肖像画の一つです。特集では、これらの女性の肖像がどれだけ深い魅力を持つのか、一緒に読み解いていければと思っています。」
■『芸術新潮』について
『芸術新潮』は1950年の創刊以来、文化と歴史を深く見つめ、多くのアートを独自の視点でお届けしてきました。多様な芸術表現を紹介するこの雑誌を通じて、読者の皆さまにいつでも芸術を身近に感じてもらえれば幸いです。