下水道点検の未来を切り開く「No Entry」技術検証
福岡県福岡市にて、株式会社Liberawareと環境開発、福岡市が協力して行った下水道の点検技術に関する実証実験が話題を呼んでいます。この取り組みは、特に作業員の安全を最優先に考慮した点検法である「No Entry」点検の実現を目指しています。従来の点検方法では、作業員が管路内に立ち入って調査を行わざるを得なかったため、さまざまなリスクが伴っていました。しかし、最近の技術革新により、ドローンを利用することで安全かつ効率的な点検が可能となりました。
背景と目的
2025年1月に発生した埼玉県八潮市の道路陥没事故を踏まえ、全国で下水道管路の特別調査が行われ、その結果、748kmに及ぶ管路が問題視されています。特に口径2000mm以下の管路では、さらなる調査が求められる見込みです。これに伴い、作業員の安全確保や点検の効率化が急務となっています。
このような背景のもと、Liberawareは、下水道応用研究の一環として新技術の実環境検証を実施しました。目的は、次世代技術の有効性を確認することです。
実施内容と検証項目
実地テストは、環境開発及び福岡市の協力のもと、雨水管を使って行われ、以下の2つのポイントに焦点を当てました。
1.
距離測定技術の精度検証:非GPS環境下での管路測定の精度。
2.
損傷検知機能の有効性検証:ドローンによる映像分析に基づく損傷の抽出と非接触での寸法測定。
検証結果
成果として、ドローンは遅滞なく管路の終点に達し、内部の詳細な状況を把握しました。損傷計測の結果、実際の損傷サイズと誤差は約5%と抑え、最小で2mmの幅の損傷も捉えることができました。点検旧の調査で指摘された損傷地点をすべて把握することができ、点検時間の短縮も成し遂げました。
距離測定についても十分な精度を確認し、従来の手法に比べて効果的であり、作業員のリスクを軽減するための重要なステップとなりました。これにより、日本全国で748kmの対象箇所の持続可能な維持管理が大きく進展することが期待されます。
株式会社環境開発のコメント
環境開発の代表者は、今回のドローンによる検査で得られた情報が、特に従来の手法では難しい箇所でも明確な診断を可能にすることから、今後の維持管理向上に重要な成果となると述べています。彼らは、この新技術を地域インフラの安全性向上に活かしていくことを目指しています。
今後の展望
ディプロイメントの計画には、さらに小口径の管路での検証が含まれ、運用モデルの効率化を図ります。従業員が管路に入らずに点検を行う「No Entry型点検」への完全移行も視野に入れています。Liberawareは、独自のデータ解析技術を駆使し、安全で持続可能な下水道維持管理を実現するために邁進します。
この技術革新は、私たちの生活環境を快適に保つための重要な鍵となることでしょう。