東京海上ディーアールとPrivate AI社の提携
東京海上ディーアール株式会社(TdR)とカナダのPrivate AI Inc.が、AI活用を促進するための戦略的な業務提携を開始しました。この提携により、TdRは高度なリスクマネジメントと先進的なAI技術を融合し、日本企業のAI導入を支援します。
背景
近年のAIや機械学習技術の進展に伴い、企業は多様なビジネスシーンで画像認識や不正検知などの技術を実装しています。この進展は社会の利便性を飛躍的に向上させる一方で、AI技術の普及による新たなリスクも浮上しています。これまでのPCやインターネットの普及がサイバーセキュリティ市場を形成したように、今後はAIシステム自体を保護する「AIセキュリティ」の重要性が高まるでしょう。
特に、多くの企業が保有するデータは非構造化データが80%を占めており、その管理と活用がAI導入の大きな課題になっています。非構造化データは、メールや音声記録など、十分なプライバシー保護を維持しながら処理することが難しいため、企業による適切な取り組みが求められています。TdRは、この課題解決を目指し、Private AIとの業務提携をスタートさせました。
Private AIとの業務提携の意義
Private AIは、トランスフォーマーモデルを活用した機械学習技術を用いて、データの中に含まれる個人情報や機密情報を高精度で自動的に特定し、秘匿化します。この提携を通じて、TdRはPrivate AIの技術と自社のAIガバナンスやリスクコンサルティング力を融合させ、企業が抱える非構造化データの課題を解決し、安全かつ効率的なAI活用を実現していきます。
Private AIの技術の特徴
1.
日本語に特化した対応力: 日本独自のデータの特性を理解し、高精度な検出と秘匿化を実現しています。
2.
法令遵守に基づくデータ処理: PIIやPHI、PCIなどの機密情報を法令に準拠して高精度に処理します。
3.
多様な非構造化データに対応: メールやコールセンターの記録など広範な形態のデータを安全に処理できます。
4.
オンプレミスでの展開: 自社のシステム環境に柔軟に展開できる仕組みで、データの所有権と機密性を維持します。
この度の提携によって、TdRは「AIリスクアセスメントサービス」や「AIセキュリティソリューション」を提供し、企業が安全で信頼性の高いAI運用を実現するための支援に注力していきます。
Private AI社について
Private AIは、2019年に設立され、トロントを拠点に活動するテクノロジー企業です。独自の機械学習アルゴリズムを用いて、52言語での個人情報秘匿化を行っており、現在増加するデータフローに対してリアルタイムで対応する機能を提供しています。日本市場にも2023年に進出し、ガートナーによるプライバシー領域のCool Vendorsとしても選出されるなど注目を集めています。
Private AIのコメント
私たちの技術と東京海上ディーアールの専門性が融合することで、プライバシー保護とデータ活用の両立を目指します。これにより、AIを活用した安全なデータ処理の実現を図ります。この提携は、日本におけるAIガバナンスプラットフォームを構築する重要なステップです。
私たちの提携が、より多くの企業の支援へとつながることを期待しています。