鳥取県からの新たな挑戦
鳥取県北栄町に本拠を置く有限会社村岡オーガニックが運営する、YouTubeチャンネル『花農家ゆうきの園芸・ガーデニングチャンネル』が登録者数10万人を達成しました。このチャンネルは、園芸・ガーデニングジャンルにおいて国内でもトップクラスの人気を誇り、特に55歳以上のシニア層から高い支持を受けています。
園芸初心者の味方
村岡オーガニックの代表、村岡佑基(むらおか・ゆうき)氏は、2020年にこのチャンネルを開設し、「花の価値は育てることだけでなく、それを伝えることにもある」との信念に基づき、初心者でも理解しやすい内容を心がけてきました。
具体的には、専門用語を極力使わず、育成に関する疑問点に丁寧に応える動画を作成。視聴者とのコミュニケーションも重要視し、コメントを参考にした新しいコンテンツを生み出すなど、双方向の関係を築くことに成功しています。この取り組みが奏功し、おうち時間を過ごす人が増えたコロナ禍では、登録者数も増加し続けました。
飼育した花を全国へ
また、村岡オーガニックでは、自社開発の花苗も販売しています。中でも、ペチュニア『マドンナの宝石 ピンク』は「フラワー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、様々なオリジナル品種が人気です。これらの苗はYouTubeを通じて紹介され、視聴者から「地元では手に入らない苗を直接購入したい」という声が寄せられ、2021年には自社ECサイト『The Garden Party』が開設されました。この通販サイトは年率150%という驚異的な成長を続けており、村岡オーガニックの新たなビジネスモデルが決まっています。
失敗を恐れずする園芸
村岡代表は特に、「園芸は最初の失敗によって『向いていない』と感じてやめてしまう方が多い」とし、分かりやすく伝えることが重要だと語ります。視聴者からは、「この動画のおかげで花を育てられた」「家族との会話が増えた」などのポジティブなコメントが溢れ、視聴者同士の温かなコミュニティが形成されています。
新しい農場づくりへ
更に村岡オーガニックでは、今後の計画として観光型・体験型の農場を目指し、地元を訪れた方々に五感で楽しめる体験を提供することを考えています。また、キャンパスが平均30歳と若いスタッフに恵まれ、「植物や地域を盛り上げたい」といった意欲的な人材を積極的に採用していく方針です。
人気動画の傾向
チャンネルの中で人気を誇る動画には、「厄介な雑草 カタバミの除草」があり、多くの視聴者が雑草に悩まされていることを物語ります。また、育て方シリーズや復活シリーズも注目を集めています。特に後者は、弱った苗を復活させていく様子をテーマにしたもので、視聴者の興味を引き付けています。
結論
村岡オーガニックの成功は、地方発の農業モデルとして新たな可能性を示しています。彼らの取り組みは、農業がより身近で楽しいものになり得ることを示す事例となっており、今後の展開にも期待が高まります。