古河電工とメトロウェザーの資本業務提携
2023年の秋、古河電気工業株式会社(古河電工)とメトロウェザー株式会社が新たな資本業務提携を発表しました。この提携の目的は、メトロウェザーが開発するドップラー・ライダーの国産化と量産体制の確立です。両社は、ドップラー・ライダー技術を通じて、より安全で安心な社会の実現に寄与することを目指しています。
ドップラー・ライダーとは
ドップラー・ライダーは、リアルタイムで風況を観測するための高精度な装置です。従来の大型機器に比べ、メトロウェザーが手がけるドップラー・ライダーは軽量かつコンパクトな設計を実現しており、最大観測半径は15km。従来機(重量2t、サイズ2m四方)と同等の性能を持ちながら、搬送・設置が容易な特長があります。
高度な技術とその応用
このドップラー・ライダーは、赤外線レーザーを用いて大気中に存在する微細な塵を照射し、その反響から風速や風向を正確に測定する技術を採用しています。さらに、ドローンや小型無人機の物体検知にも応用可能で、これからの航空安全や気象研究において重要な役割を果たすことが期待されています。
提携の背景
古河電工は、社会課題解決型の新事業創出を目標に掲げ、航空宇宙やライフサイエンス分野での事業開発を進めています。今回の提携は「古河電工グループ ビジョン2030」に基づく施策の一環であり、メトロウェザーのドップラー・ライダーの高性能化を実現するための協業です。
資本業務提携の具体的な内容
古河電工は、独自のフォトニクス技術を活用し、メトロウェザーが開発する小型高性能ドップラー・ライダーのコアコンポーネントの開発に協力します。また、古河電工が持つ製造ノウハウや設備を駆使し、量産体制の構築を支援します。これにより、未来の需要に応じた製品供給が可能になると期待されています。
研究開発への支援
この提携により、両社は連携して新たな技術の開発にも取り組みます。特に、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援を受けて進行中のプロジェクトでは、小型無人機の飛行経路の風況観測技術や、低価格ドップラー・ライダーの開発が行われています。これにより、商業化が進むことが期待されます。
まとめ
古河電工とメトロウェザーの提携は、ドップラー・ライダー技術を進化させる大きなステップです。両社は、協力しあうことで、さまざまな分野での新たな事業創出に向けて取り組んでいく方針です。そして、この高精度な測定器がもたらす社会的な利点に、多くの期待が寄せられています。
古河電工とメトロウェザーの今後の展開から目が離せません!