金融安定理事会が発表した「インシデント報告交換フォーマット(FIRE)」
令和6年10月24日、金融庁は金融安定理事会(FSB)が公表した「インシデント報告交換フォーマット(FIRE)」についてのプレスリリースを発表しました。この文書は、金融機関がサイバーセキュリティのインシデントを報告するための具体的なフォーマットを提示するものです。
背景
金融業界は、サイバー攻撃によるリスクがますます高まる中、迅速かつ効果的な情報共有が求められています。FSBは、こうした状況に対応するため、令和5年4月に「インシデント報告交換フォーマット(FIRE):今後の展望」を発表し、それに基づいてインシデント報告の設計作業を進めてきました。今回の公表により、具体的な提案が示され、より緊密な情報共有が可能になることが期待されています。
インシデント報告交換フォーマット(FIRE)の要点
新たなフォーマットは、サイバーインシデントに関する情報を効率的に収集し、関係機関との間で迅速に共有することを目的としています。以下はその主な特徴です。
- - 標準化: 報告内容の統一化を図ることで、国際的な情報共有を促進。
- - 迅速な対応: インシデントの発生から報告までの時間を短縮し、早期の対応を実現。
- - 情報の透明性: 各国の金融機関が報告した情報をもとに、問題の分析や共有を行い、今後の対策に生かす。
これにより、金融システムの安定性を確保しつつ、投資家や顧客への信頼性を高めることが狙いです。
コメントの提出について
FSBでは、この市中協議文書に対するコメントを令和6年12月19日まで受け付けています。金融機関や関連業界の関係者は、オンラインフォームを通じて意見を提出することが可能です。このフィードバックを基に、さらに課題に対応したルールが整備されることが期待されています。
まとめ
今回の報告交換フォーマットの発表は、金融業界におけるサイバーセキュリティ対策の一環として、情報共有の効率化を図る重要な一歩です。金融庁は、今後もこのような施策を通じて、より安全な金融システムの構築に向けた努力を続けていくことが求められます。
具体的なフォーマットに関しては、金融安定理事会の公式ウェブサイトにて詳細が公開されています。
お問合せ先
金融庁 Tel: 03-3506-6000(代表)
総合政策局総務課国際室(内線3867)