令和6年度都道府県普通会計決算速報:財政状況を徹底分析
令和6年度都道府県普通会計決算速報
総務省が発表した令和6年度都道府県普通会計決算の速報によれば、都道府県の歳入は約59.8兆円に達し、前年よりも1.3兆円の増加を見せています。ただし、この数値は概数であり、今後変更される可能性もあるため注意が必要です。
年度別の状況
令和7年の8月末時点での集計結果によると、主な歳入の内訳としては「通常収支分」が59.5兆円、そして「東日本大震災分」が0.3兆円となっています。これに伴い、増加要因としては企業の収益向上による地方税の増加や、普通交付税の増加が挙げられます。具体的には、地方税は前年よりも1兆5,652億円も伸び、交付税も3,673億円の増加を記録しました。
ただし、新型コロナウイルスの影響を受けた特例的な財政措置が解除されたことにより、臨時交付金などの減少が見られ、この点が全体の歳入に影響を与えています。減少分は約1兆6,144億円と、かなりの規模です。
歳出とその影響
一方、歳出は57.9兆円となり、これも1.3兆円の増加が見られます。歳出の内訳としては、通常収支分が57.6兆円、東日本大震災分が0.3兆円です。増加の理由としては、地方公務員の給与改定や、定年引上げに伴う退職手当の増加、人件費が挙げられます。また、基金への積立金の増加や普通建設事業費の増加も大きな要因です。
収支の状況
収支の結果、その実質収支は9,241億円の黒字を記録し、前年と比較して706億円の増加が確認されました。また、実質単年度収支は4,313億円の黒字で、これも前年度比で5,301億円の増加となっています。この結果は、全ての団体において実質収支が黒字であることを示しており、財政状況の改善が際立っています。
財政構造の弾力性
経常収支比率は92.2%で昨年比0.3ポイント低下していますが、実質公債費比率は10.1%と前年度から変わりありません。これらの指標は、都道府県の財政健全性を判断する重要な要素です。
地方債状況
また、地方債の現在高は82兆7,593億円となり、1兆9,726億円の減少が見られました。臨時財政対策債を除いた場合の地方債は53兆9,087億円で、こちらも1,310億円減少しています。地方債の減少は、財政運営の観点からも良い兆候と捉えることができるでしょう。
今回の速報からは、都道府県の財政がポジティブな方向に進んでいることが伺えます。経済復興に向け、引き続き注視していく必要があります。