2024年11月5日、アラブ首長国連邦アブダビにて、JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)と国際エネルギー・フォーラム(IEF)が覚書(MOU)を締結しました。この合意は、クリーン水素やCCUS(炭素回収・利用・貯蔵)に関する研究を進め、国際的なネットワークを強化することが主な目的です。
IEFは1991年に設立され、石油やガスの生産国と消費国が一堂に会しエネルギー市場の安定化について非公式に対話を行う場を提供してきました。日本をブランドとして含め、現在は71か国がメンバーとして参加しています。このような国際的な枠組みの中で、JOGMECとIEFはエネルギー安全保障と経済成長を両立させるための脱炭素化の必要性について共通の理解を深め、意見交換を重ねています。
MOUの内容には、CCUSやクリーン水素の社会実装、さらに脱炭素エネルギーに関する国際的な協力の強化が含まれています。これにより各国の特性を考慮しつつ、持続可能な社会を目指す活動を推進することが期待されています。
特に注目すべきは、ADIPEC 2024 Exhibition & Conferenceでの覚書締結です。この重要な国際会議では、CCUSやクリーン水素、炭素市場に関する知見を深めるための講師派遣やセミナーの開催が計画されています。これらの取り組みを通じて、JOGMECは国際社会との連携を強化し、エネルギー資源の安定供給とカーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目指しています。
署名式では、JOGMECの髙原一郎理事長とIEFのジョセフ・マクモ二グル事務局長が参加し、両機関の新たな連携に期待感を示しました。この合意は、グローバルなエネルギー市場において脱炭素化が重要視される現在、エネルギーの未来を担うものであり、国際的なパートナーシップを活用することが急務となるでしょう。
JOGMECは今後も国際社会と密接に連携し、各国のエネルギー・資源政策に適応した取り組みを進めるとともに、持続可能なエネルギー供給の実現に向けた努力を継続していく方針です。この覚書は、エネルギーの未来に向けた新たなスタートとなりそうです。