厚生労働省の調査結果に疑念、紅麹の健康被害事案で調査要請
株式会社薫製倶楽部が、紅麹に関連した健康被害に関する研究成果の公表について、文部科学省に調査要請を書面で提出しました。この行動は、同社が疑問視する研究の透明性と信頼性を求めるものであり、厚生労働省が提供した情報に対する不信感が裏にはあります。
文部科学省に提出された調査要請書
令和8年8月25日、岡山県早島町に本社を置く株式会社薫製倶楽部は文部科学省の研究不正告発窓口に「調査要請書(兼 所管照会)」を電子メールで提出しました。この申立ては顕名で行われ、厚生労働省及び国立医薬品食品衛生研究所からの情報公開に基づく異なる決定通知書の写しを添付し、調査を求めています。回答期限は令和8年9月11日まで設定されています。
調査対象となる研究成果
要請書では、健康被害の原因物質とされる「プベルル酸」に関する以下の三つの研究成果が調査対象として特定されています。
1. 国衛研による「紅麹を含む健康食品による健康被害の原因物質特定に関する分析報告書」
2. Yoshinari T.らによる科学論文
3. 厚生労働省のウェブサイトに掲載された、「小林製薬社製の紅麹を含む食品の事案にかかる取組について」の情報
これらの成果において、プベルル酸の同定やその含有についての記述はしばしば問題視されており、このことが調査要請の根拠となっています。
厚生労働省の回答と問題点
厚生労働省は、同社の調査要請に対し、紅麹にプベルル酸が含まれていたことを示す科学的証拠文書や、独立に検証可能な同定根拠資料を「作成または取得した事実はなく、実際に保有していない」と回答しています。これに対し、国衛研の分析報告書では、含有物質の同定は推定に留まっているため、これが研究成果の信頼性に問題を引き起こす要因とされています。
調査要請の要旨
要請書には、プベルル酸の同定や含有について、独立して検証可能なデータが存在するかどうかについての調査を求めています。また、推定表現に過ぎない分析結果が、なぜ確定的に公表されたのかという点についても明らかにする必要があるとの意見が示されています。特に、研究成果の信頼性に関わる問題とされ、このままでは文部科学省の設定したガイドラインに反する可能性も指摘されています。
健康被害と関連する責任
要請書では、プベルル酸が当該製品に含まれていたかどうかは触れておらず、現在の問題は、その含有を支持する独立したデータが欠如していることに集中しています。したがって、研究不正の存在についての断定はなされていませんが、各機関が持つ情報の透明性を求める動きが強まっています。また、関連する健康被害との因果関係や、法的責任についての判断は未だ行われていません。
今後の展開に期待
株式会社薫製倶楽部は、文部科学省に提出した調査要請書の結果に注視し、研究活動における透明性と信頼性向上を目指していくとの意向を示しています。関係者は、各回答を同社のウェブサイトで公表することを明言しています。今後、この件に関する調査がどのような結果をもたらすのか、業界全体にとっての透明性と信頼性の向上に向けた影響が期待されます。