3D皮膚モデル開発
2024-09-11 15:16:10

キリンとファンケル、世界初の3D皮膚モデルを共同開発

美しい肌の科学が進化する



2023年9月、キリンホールディングス株式会社は、株式会社ファンケル、順天堂大学と共に、画期的な3D培養ヒト皮膚モデルを世界初めて開発しました。このモデルは、ヒトのiPS細胞を使用して安定的に分化した免疫細胞マクロファージを組み込むことに成功し、炎症性刺激に対する応答を確認したのです。

研究の背景


この研究は、2018年から始まった「抗老化皮膚医学研究講座」の一環として行われ、キリンが2021年から参画しました。皮膚は身体の防御機能を持っているものの、ストレスや加齢によるダメージで慢性的な炎症を引き起こすことがあります。その結果、乾燥肌やかゆみなど多くの皮膚トラブルが発生します。

3D皮膚モデルの重要性


従来の皮膚モデルは2次元で、炎症の評価に限界がありました。しかし、3Dモデルは皮膚の立体構造を再現できるため、炎症状態をより正確に再現することが可能です。新しいモデルには、iPS細胞由来のマクロファージが含まれており、従来のものよりも高い再現性が期待できます。

研究の成果


キリンは、長年の免疫研究を活かし、以下の成果を上げました。

1. iPS細胞からのマクロファージの大量生産法の確立
- 同一ロットから均一なマクロファージを得ることが可能になりました。

2. 特殊技術の開発
- マクロファージを3D皮膚モデルに組み込む手法を世界で初めて確立。真皮層を形成し、さらに表皮層を重ねて、よりリアルな皮膚構造を実現しました。

3. 炎症応答の検証
- 炎症性刺激剤を使用して、マクロファージが含まれるモデルが炎症応答を起こすことを確認。これにより、老化やアレルギー関連の皮膚トラブルを再現する可能性が開けました。

未来への展望


キリンとそのパートナー企業は、今回の研究を通じて得られた知見をもとに、さらに多くの皮膚研究を展開する予定です。炎症メカニズムを解明することが、肌の健康の維持につながると期待されています。ヘルスサイエンス事業の拡大にも寄与し、肌トラブルの解決に向けた新たなアプローチを開発していくことでしょう。

このように、キリンは食と健康の観点から新しい製品とサービスを計画し、私たちの健康と美しさを支える革新を続けています。今後の研究成果に注目が集まります。

まとめ


キリンとファンケル、順天堂大学によるこの画期的な3D皮膚モデルは、皮膚科学の世界を変える可能性を秘めています。未来の肌の健康を守るための基盤が、ここに築かれたのです。


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会社情報

会社名
キリンホールディングス株式会社
住所
東京都中野区中野4-10-2中野セントラルパークサウス
電話番号
03-6837-7000

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