仮想通貨の未来を語るシンポジウム
一般社団法人仮想通貨実務家協会は、2023年9月12日に東京・千代田区のアルカディア市ヶ谷でシンポジウムを開催しました。このシンポジウムは「仮想通貨の健全な発展のためのインフラ整備について」というテーマで行われ、法務や会計、税務の専門家が集まりました。
基調講演:現在の規制と課題
シンポジウムの冒頭で、当協会の顧問である中央大学法科大学院教授・弁護士の野村修也さんが基調講演を行いました。彼は「仮想通貨に対する規制の現状と課題」をテーマに、仮想通貨交換業者やICOに関する規制について言及しました。彼の言葉によれば、仮想通貨やICO、ブロックチェーンの世界では、適切な法整備が急務であり、実務的な問題点を整理しながらビジネス発展を支える必要性が強調されました。
第2部:税務の視点から
続いて、第二部では酒井克彦顧問が税務に焦点を当てました。国税庁が発表した「仮想通貨に関する所得の計算方法」では、仮想通貨に関する課税の一部が明らかにされているものの、まだ他にも多くの課題が残されていると指摘しました。特に、仮想通貨の取引に伴うさまざまな税務上の取り扱いについての深い洞察が求められることが強調されました。
海外の動向:イギリスの法律と税制
次に、Adam Vaziri顧問がイギリスにおける仮想通貨の法律や税制の変遷を紹介しました。海外の事例から学ぶことで、日本国内での制度設計にも新たな視点がもたらされることでしょう。
ブロックチェーン技術のビジネス展開
シンポジウム後半では、北洋株式会社代表取締役の山本峰由氏がブロックチェーン技術のビジネスへの活用について語りました。技術者の観点から、仮想通貨やブロックチェーンがどのようにビジネスの拡大に寄与するかを具体的に解説し、今後のビジョンについても触れました。
会計業界の未来
無料株式会社の佐々木大輔代表取締役CEOは、「会計人イノベーションと専門家ビジネスの今後の展望」と題して、同社が展開するサービスについて説明しました。専門的な知識を持つ人物が新しいビジネスの形を形成していくことの重要性が強調されました。
拡大する仮想通貨の影響
シンポジウムの最後には、協会会長の平川氏が登壇し、仮想通貨やブロックチェーンが会計事務所業界に与える影響について意見を交わしました。「今後、この分野の知識を深めることが極めて重要であり、急速に変化する環境に適応していく必要がある」と彼は強調しました。
一般会員募集中
現在、仮想通貨実務家協会では一般会員を募集中です。会費は個人會員が入会金1万円(10月31日申込分まで無料)+年会費2万円、法人会員が入会金1万円(同じく無料)+年会費20万円です。詳細は協会のホームページをご覧ください(
https://www.j-cpa.org/admission)。