第5回更級日記千年紀文学賞、受賞作品が決定
千葉県市原市で行われた第5回「更級日記千年紀文学賞」の受賞作品が発表され、文学界に新たな光を当てる素晴らしい作品が選ばれました。この文学賞は、平安時代の作家・菅原孝標女が帰京するための旅を始めた1020年からちょうど1000年を迎える2020年を機に設立されました。市原市は、この歴史的な節目を記念して、作品の創作と発表の場を提供するために、文学賞を設けました。
応募状況と選考委員
今年の応募総数は3,000点と過去最多を記録しました。一般の部では、小説部門に143点、エッセイ(紀行文を含む)部門に64点が寄せられ、中小学生の部では山をテーマにした短歌が2,793首集まりました。特に小学生からの応募が非常に多く、多様な視点から描かれた作品が印象的でした。
選考委員長には作家の椎名誠氏がなり、エッセイストの加賀美幸子氏や、地元在住の作家・岸本静江氏、編集者の竹下亜紀氏など、豪華な顔ぶれが揃いました。小中学生の部では、市原歌人会が選定に協力しました。
受賞作品の発表
一般の部
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大賞: 「シアーライン」青山祐一郎(千葉県船橋市)
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優秀賞: 「コスモス」栗原知子(千葉県千葉市)
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選考委員特別賞: 「素泊りの客」相良文雄(神奈川県)、
「市原の父」佐藤勉(京都府)
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大賞: 「冷凍庫のワカサギ」田村奈実(埼玉県三郷市)
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優秀賞: 「干し娘物語」鶴岡和歌(千葉県市原市)
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選考委員特別賞: 「父の誤算」丸房代(千葉県市原市)
小中学生の部
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大賞: 「山道で見つけた花にこっそりと名前をつけた秋の遠足」田中玲奈(東京都日野市)
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優秀賞: 「山の中自然の音がなりひびく雨がふる音木がゆれる音」神田七海(千葉県市原市)、
「山白く風におされて通学路春はまだかと見つめる彼方」菊池美瀬(岩手県)
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大賞: 「里山よりすべり降りてきた夏風がアロハシャツ着た祖父の背ぬける」横道玄(山口県)
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優秀賞: 「人々がすすめていくよおんだんか山よたすけて山をたすけて」大友煌月(千葉県市原市)
授賞式の詳細
受賞作品の授賞式は令和7年11月15日(土)に市原市市民会館小ホールで行われます。選考委員長の椎名誠氏をはじめ、市長や教育長が出席し、受賞者たちへの賞が授与される予定です。
市原市では、受賞作品を更級日記千年紀特設サイトでも公開しています。
締めくくりに
本年度の更級日記千年紀文学賞は、地域の文学だけでなく、全国からの卓越した作品が集まる場として成長を続けています。応募したすべての方々の情熱と創作が、素晴らしい文学作品を生み出しています。次回の開催にも期待が寄せられます。