英国SF界の巨匠が贈る独創的な文芸SF『不死の島へ』
2月27日、クリストファー・プリーストの新作『不死の島へ』が東京創元社より発売されます。この作品は、著名な月刊SF誌『インパルス』でデビューを果たしたプリーストが描く文芸SFの傑作で、彼の代表作である『逆転世界』や『奇術師』に続く重要な一冊です。
物語の始まり
1976年の春、ピーター・シンクレアはロンドンを後にし、知人から許可を得た別荘で一人執筆活動に取り掛かります。彼は深い挫折感に囚われながらも、創作に没頭し続けます。時には食事や睡眠を忘れ、その情熱を注ぎ込み、何度も改稿を繰り返す中で、彼は「夢幻諸島(ドリーム・アーキペラゴ)」という名の架空世界を生み出すのです。
この幻想的な島々は、彼の独創性あふれる想像力から生まれたもので、どこか現実の世界にも影響を及ぼし始めます。この物語は、単なるフィクションを越え、登場人物たちにとっても、また読み手にとっても重要な意味を持つものとなることでしょう。
夢幻諸島の魅力
『不死の島へ』は、プリーストがこれまでに描き続けてきた「夢幻諸島」で展開する最初の長編作品です。本作に登場する島々は、複数の短編や他の長編作品でも取り扱われており、各島が持つ独自の特色や物語が相互に絡み合っています。この作品によって、プリーストは世界観の深みをさらに増していると言えるでしょう。
また、“夢幻諸島”は、幻想的で美しい様子を描いた装画が印象的です。影山徹さんによるカバーアートと、岩郷重力が手掛けた装幀は、その世界観をさらに引き立てています。
著者の背景と受賞歴
クリストファー・プリーストは1943年に英国チェシャー州で生まれました。66年にはSF雑誌『インパルス』で短編「逃走」を発表し、その後も数々の名作を生み出してきました。特に『逆転世界』では英国SF協会賞、また『奇術師』では世界幻想文学大賞を受賞するなど、その実力は多くの読者に認められています。
そんなプリーストが描く独特の物語は、監督クリストファー・ノーランによって『プレステージ』として映画化されるなど、映像化されることも多いです。彼の作品は常に新しい視点を提示し、読み手に深い感慨を与えてくれます。
本書の特徴と期待
2026年の海外SFにおいても注目度の高い『不死の島へ』は、特にプリーストファンやSF好きにはたまらない一冊です。美しい幻想的な世界を体験しつつ、深いテーマが盛り込まれた物語を通じて、現実と夢の境界がどのように交錯するのかを考えさせられることでしょう。
書誌情報は以下の通りです。
- - 書名: 不死の島へ
- - 著者: クリストファー・プリースト
- - 訳者: 古沢嘉通
- - ページ数: 346ページ
- - ISBN: 978-4-488-01470-4
- - 発売日: 2026年2月27日
この新作にご期待ください。プリーストの豊かな想像力が描いた不死の島での冒険に、私たちは胸を躍らせながらページを捲ることになるでしょう。ぜひ、新たな挑戦に満ちた文芸SFをお楽しみください。