エシカルフードの可能性を探る
2025年1月30日、東京都渋谷区で開催された「食のサステナビリティフォーラム2024」では、エシカルフードの重要性とZ世代の意識について多くの議論が交わされました。このフォーラムは、CCCMKホールディングス株式会社が主催し、企業や研究機関から27名の専門家が参加しました。
フォーラムの趣旨
フォーラムの目的は、エシカルな商品に対する消費者の価値を明らかにし、その普及を促進することです。特にZ世代に向けた新たなプロダクトやサービスの開発に力を入れ、各企業がどのようにエシカルな消費を提案できるのかを探ります。このイベントは全4回のシリーズとして企画され、参加者は食品業界や流通、テクノロジー企業など多岐にわたります。
海外のケーススタディ
フォーラムでは、最初にTNC株式会社の岸本悠生氏が「海外事例から見るZ世代へのエシカルな商品の消費者価値のつくり方・伝え方」と題して講演を行いました。彼は、EU圏内での法改正や国際認証の重要性に触れ、グローバル市場で成功するためには透明性と誠実さが不可欠であることを強調しました。
特に、Z世代が興味を示すのは「美味しさ」や「ヘルシーさ」、さらには「ファッション性」を兼ね備えた商品であることが分かりました。たとえば、OATLYというオーツミルクブランドは、高品質な味とともにスタイリッシュなパッケージデザインで人気を集めています。彼の説明から、Z世代はただエシカルであることが重要なだけでなく、生活の質を向上させる製品にも関心があることが浮き彫りになりました。
Z世代の消費傾向
続いて、CCCMKホールディングスの大山翔平氏による「国内におけるZ世代の食シーンとエシカルな食に関する調査結果」では、若者たちがエシカル商品に対して「値段が高そう」との印象を持っていることが明らかになりました。また、Z世代は食の価値について「楽しさ」を重視しているためエシカル消費に対する興味が薄い側面もあり、「価格感度の高さ」が強く影響しているとのことです。
エシカルへの期待と課題
一方、ETHICAL EXPO JAPANの塗野直透氏による講演では、Z世代が企業のエシカル活動に対して共感を呼ぶための取り組みが紹介されました。「おしゃれ」で「カッコいい」といったブランドイメージが、エシカル商品に対する購買動機として機能していることが確認されています。デザインやストーリーが伴わないエシカル商品は、魅力に欠けるとされ、企業はその点を考慮したマーケティング戦略が求められています。
次回への期待
フォーラムの参加者からは、今後の取り組みに対する期待が寄せられました。「エシカル消費は特別ではなく、日常の選択肢の一部になるべきだ」とのコメントも。次回のフォーラムは2025年3月に予定されており、持続可能な調達をテーマにした事例発表が行われる予定です。
まとめ
この「食のサステナビリティフォーラム2024」はただのイベントに留まらず、エシカル商品が新たな消費スタイルとしての地位を確立していくための重要なステップとなるでしょう。Z世代の価値観とライフスタイルに即した戦略を模索し、今後のエシカルフードの発展に期待が寄せられています。私たち一人ひとりが意識を持ち、行動することが大切です。私たちの選択が、未来の食文化を変えていくのです。